新幹線(のぞみ&やまびこ)を乗り継いで名古屋から仙台へ

仙台(松島)旅行へ出かけるために,新幹線をのりついで,名古屋から仙台まで行ってみた。

名古屋⇔仙台間を新幹線で

2月の下旬に名古屋から仙台へ,2泊3日で旅行に行ってきた。旅の目的は,仙台でおいしいものを食べることと,日本三景のひとつである松島を観光することだ。

仙台と名古屋間の移動手段は?

名古屋⇔仙台間の主な移動手段は「飛行機」だといわれている。

旅客輸送人員に占める航空機とJR線のシェアは以下の通り。以下の表から,ざっくり割合は「飛行機:JR:船=5.5:3.5:0.5」だ。

区間航空機[%]JR合計[%]旅客船[%]そのほか[%]
宮城→愛知53.136.66.14.2
愛知→宮城52.338.35.24.2
国土交通省 交通関係統計資料:「府県相互間輸送人員表」,令和2年度貨物地域流動調査・旅客地域流動調査から算出。小数点以下2桁目を四捨五入。(URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00600460&tstat=000001016696&cycle=8&year=20201&month=0&tclass1=000001067591&result_back=1&tclass2val=0)。

航空機と新幹線が競合する移動区間では,一般に「新幹線の移動時間が4時間を超える」と,航空機が優位になるといわれている。

一方,あとで紹介するが,名古屋⇔仙台間は,「のぞみ」と「はやぶさ」を乗り継げば,のりつぎ時間をふくめて,3時間半で移動できる。つまり,名古屋⇔仙台間の新幹線は,「4時間の壁」を突破しているといえる。

それでも航空機のシェアが大きい(令和2年度)のは,新幹線の場合は,東京駅でのりつぎが発生することが要因であると考えられる。

これに対して,今回の旅行では,名古屋⇔仙台間の往復とも新幹線を使って移動してみた。鉄道好きな自分で,鉄道贔屓ひいきにはなってしまうが,そのことを差し引いても,新幹線でも十分快適に移動できたと思っている。以下では,そのようすなど,具体的に書いていく。

今回の乗車ルート・運賃・所要時間

ルートと運賃

具体的なルートは,以下の通りだ。

往復とも,名古屋⇔仙台間を新幹線で移動した。この区間は,片道が601km以上であるので,乗車券に往復割引(片道運賃が1割引き)が効いた。また,2日目に松島海岸を観光したので,仙台⇔松島海岸を,乗車券に組み入れた。

====(往路)====
【乗車日】
2023.2.23~2.25(料金計算:通常期)

【行程】
・9:29 名古屋 発
 ▼——のぞみ 216号 指定席 (¥4,920-)
・11:06 東京 着
(のりつぎ時間 30分)
・11:36 東京 発 
 ▼——やまびこ 59号 指定席 (¥5,040-)
・13:38 仙台 着
(☆乗車券はJR仙石線・松島海岸まで通し)
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(仙台市内で1泊)
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(☆初日の乗車券を引き続き使用)
・翌日 仙台 発
 ▼——JR仙石線 石巻ゆき
・松島海岸 着
(※乗車券は往復で発券)
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(観光)
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_____※ここから復路の乗車券_________
====(復路)====
・松島海岸 発
 ▼—–JR仙石線 あおば通ゆき
・仙台 着
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(仙台市内で1泊)
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・翌日11:23 仙台 発
 ▼——やまびこ 56号 自由席(¥4,510-)
・13:24 東京着
(のりつぎ時間 36分)
・14:00 東京発
 ▼——のぞみ231号 自由席(¥4,180-)
・15:39 名古屋 着

今回のルートだと,

乗車券代=¥19,200-
(名古屋→松島海岸 [往復運賃])
特急券代(ゆき・指定席)= ¥9,960-
特急券代(かえり・自由席)=¥8,690-

(※時刻・運賃・列車名などは2023.2.27現在)

となった。

名古屋⇔東京の所要時間=のぞみで1時間40分

まず,名古屋⇔東京間は,東海道新幹線「のぞみ」で移動した。

所要時間は,列車によって微妙に異なるが,おおむね1時間40分(100分)ほどだ。

「のぞみ」には,普通席として,自由席と指定席とがあるが,今回は

(往路)名古屋→東京:指定席

(復路)東京→名古屋:自由席

とした。名古屋から東京の間は,混雑が予想され,なおかつ名古屋駅が「のぞみ」の途中駅であることから,座席を指定した。

一方,東京から名古屋間は,東海道新幹線の始発である東京駅から「のぞみ」に乗れる。したがって,東京→名古屋では自由席に着席できる可能性は高いと判断して,自由席とした。

東京⇔仙台の所要時間=やまびこ約2時間

次いで,東京⇔仙台間は,「やまびこ」で移動した。

東海道新幹線とくらべると,東北新幹線にはなじみのない方も多いかもしれない。かくいう自分もそのひとりだ。

東北新幹線には,4つのタイプの列車が走っており,このうち,東京⇔仙台間では主に

「はやぶさ」・・・速達タイプ(途中,[上野]・大宮のみ停車):仙台まで約1時間30分

「やまびこ」・・・停車タイプ(上野,大宮,宇都宮,郡山,福島,白石蔵王などに停車):仙台まで約2時間

を利用することになる。

今回は,「はやぶさ」ではなく,「やまびこ」を利用した。時間帯にもよるが,「はやぶさ」は,「のぞみ」と異なり,毎時1本~2本程度しか運転されておらず,今回乗車する予定だった「のぞみ」とののりつぎが悪かったからだ。

参考 時刻表 東京駅:JR東日本

新幹線のりつぎ旅のようす

以上の計画に対して,以下ではのりつぎ旅当日のようすを紹介しておく。

名古屋→仙台

のぞみ216号指定席

当日,まずは名古屋駅から「のぞみ216号」指定席13号車に乗車。この日は祝日で,名古屋駅新幹線ホームは混雑していた。

のぞみ216号」は,新大阪始発の「のぞみ」で,名古屋を出発する時点で,乗車した13号車はほとんど満席に近い状態だった。

東京駅には1時間40分ほどで到着。ここから東北新幹線へと乗り換える。

東京駅にて新幹線をのりつぎ

今回は,東北新幹線の車内でお昼ごはんを食べようと考えていた。そこで,東京駅でののりつぎ時間は30分程度確保した。これにより,東京駅東北新幹線ホーム上で,駅弁をゆっくり選ぶ時間を確保した。

当日,「のぞみ」を下車し,まずは東海道新幹線ホームからコンコースへ降りた。

そこから,駅弁屋の向かいにある,きっぷ専用の乗り継ぎ改札を通過し,東北新幹線ホームへはいった。

ここでは,こちらの記事で「直接改札」と紹介されている,もっとも早くのりつげる改札を使った。この改札では,紙のきっぷしか通せない(EX-ICやSuicaなどはつかえない)が,新幹線同士を直接乗り継げるので,のりつぎ時間をもっとも短くできる。

やまびこ59号指定席

乗り継ぐのは,東北新幹線「やまびこ59号」だ。

この列車は,E5系での運行。21番線から出発だった。

東京駅には10分以上前に,上りの「やまびこ」として到着していたが,出発時刻の3分前くらいまで,ドアを閉め,清掃していた。乗り継ぎ時間に余裕を持っていたこともあって,10分くらい清掃完了を待った。

車内に入って着席すると,すぐに出発した。東京駅出発時点で,指定席は結構混雑していた。

大宮で,上越新幹線との乗り換え待ちをして,10分ほど遅れたが,仙台にはほとんど定刻通り到着した。

到着日は,仙台駅構内でずんだ餅を食べたり,駅前のホテルに荷物を置いてから,牛タン定食を食べに行ったりした。このように,新幹線で移動することで,移動の車内も楽しみつつ,到着後の観光までのタイムロスをほとんどゼロにできた

仙台→名古屋|自由席をのりつぎ

帰りは,おなじルートで自由席を乗り継いだ。

やまびこ56号自由席

仙台からは,「やまびこ56号」の自由席に乗車した。乗車に際して,自由席1号車の乗車口に,出発数分前に並んだ。自由席はどの号車にも乗車待ちの列ができており,車内に入るとほとんど満席に近い状態となった。自由席はいずれも混雑していたようで,仙台駅出発時点ではデッキに数名の立ち客も出ていた。

私たちも窓側にはありつけず,3列掛けの通路側と真ん中の席に座った。ただ,2つ目の停車駅である福島駅にて,窓側のお客さんが下車したため,窓側へと移動した。

このように,仙台始発でない「やまびこ」は,自由席が結構混雑する。ただ,福島,郡山など,南下するにつれ,下車客もそれなりにあるので,仙台で座れなくても,2,3駅すれば座れる可能性は高まるだろう。

さて,東京駅には定刻通り到着した。自由席が混雑していたことと旅行の疲れもあってか,東京までの2時間は少し長く感じた。時間が合うのであれば,復路は「はやぶさ」を利用する方が賢明かもしれない(ただし,「はやぶさ」は全車指定席で,自由席はないことに注意!)

始発の「のぞみ231号」自由席にのりかえ

つづいて東京駅では,(すでに仙台にて昼ごはんを買ってあったので)すぐに東海道新幹線ホームへ上がった。ちょうどホームへやってきた「のぞみ231号」の自由席に乗車した。乗車から出発まで15分近くあったが,おかげで自由席はガラガラで,好きな座席を確保できた。

出発間際になると,自由席は混雑してきて,富士山側のD・E席(2人掛け)はほとんどいっぱいになった(残念ながらこの日は,富士山周辺のみ曇りで,富士山は見られなかった)。

東海道新幹線は安定感抜群の走りで,名古屋まで定時運行。午後の陽光とも相まって,車内の多くの乗客がウトウトしていた。かくいう自分も,牛タン弁当で満腹になり,静岡辺りから,三河安城の通過放送があるまで寝ていた。

仙台を発ってから名古屋に降り立つまで,のりつぎ時間をふくめて4時間程度かかった。多少時間はかかったものの,車内で駅弁を食べたり,車窓を眺めたりと,移動自体を楽しめた

まとめ:新幹線でも十分快適

以上,今回の記事では,名古屋⇔仙台間を,東海道新幹線「のぞみ」と東北新幹線「やまびこ」を東京駅で新幹線で乗り継いで移動したようすを紹介した。

新幹線をつかうことで,駅弁を食べたり車窓を眺めたりして,移動自体を楽しむことができた。しかも,到着したらすぐ仙台観光を始められた。このように,時間こそかかれど,新幹線での移動は,意外と利便性も高い。

今回は,東北新幹線にて「やまびこ」を利用したため,乗り継ぎ時間もふくめて4時間少々かかったが,最速達列車である「はやぶさ」を利用すれば,さらに30分短く移動できる。「はやぶさ」の本数は「のぞみ」より少ない。だから,「のぞみ」の到着・出発時間を,「はやぶさ」に合うよう調整することが大切だ。

(おわり)

P.S. 鉄道マニアとして,こんどは常磐線の特急「ひたち」で,東京(品川・上野)⇔仙台間を移動してみたいですね。

2024/11/2 追記:のってきました。

夏の東北鉄道旅(2) 常磐特急「ひたち」品川→仙台