前回記事に引き続いて,ブログで紹介してきた鉄道写真のなかから,「現在ではもう見られなくなった鉄道風景」をピックアップして紹介していく。
この記事では,特に,2018年夏および秋における写真を取り上げる。
【写真回顧】今はもう見られない鉄道風景②
2018年 夏
まずは,2018年夏に撮影した鉄道風景をご紹介。
この年の夏は,昨年にひきつづいて北海道を自転車で走り回った。
旅の中心は自転車だったが,途中で鉄道旅(18きっぷ旅)も行った。その道中の写真をいくつかピックアップする。
函館本線「いしかりライナー」
これは「車両」ではなく,列車の愛称だが,現在は消滅しているのでピックアップしてみた。
それが,函館本線を走っていた快速列車の愛称「いしかりライナー」だ。
「いしかりライナー」は,函館本線:手稲⇔札幌および札幌⇔江別間をむすぶ区間快速列車の愛称だったが,2020年3月改正において,各駅停車化により消滅したようだ[1]。
ちなみにこのときは,札幌から小樽まで移動するのに,731系の「いしかりライナー」に乗車した。「区間快速」とあるように,快速運転するのは一部区間のみだった。
このように,快速運転する区間が短く,さらには通過する駅の利用者も多かったことから,快速としての意義が大きくなく,廃止になったものと推測される。同じ道内の快速でも,「エアポート」や「特別快速 きたみ」と比較すると,その貢献度は非常に小さいようだった。
函館本線に乗り入れるキハ150形気動車
次は,乗り入れがなくなった列車。
函館本線のいわゆる「山線」区間におけるキハ150形気動車の運用だ。
このときは,小樽まで乗車してきた「いしかりライナー」から,このキハ150形気動車を,倶知安,さらには長万部まで乗り継いで,函館本線を上って行った。
箱型に四角いライトが特徴的だったキハ150形は,そのかわいい顔に似合わぬ高性能で,山道をぐんぐん登るのが印象的だった。
現在,山線における普通列車の運用はすべて,新型のH100形気動車に置き換えられ,本形式の函館本線内での運用は消滅した。その後,苗穂の本形式はすべて旭川へと転属となっているようだ[2]。
なお,この記事にて紹介した函館本線:小樽~長万部間(通称・山線)は,北海道新幹線延伸にともなって,すべて廃線となることが決まっている[3]。
近いうちに,キハ150形のみならず,この長大な山線の乗車記すべてが「今は見られない鉄道風景」になってしまう。。利用状況が芳しくないとはいえ,明治期以来の幹線が廃線となってしまうのは寂しい限りだ。
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ちなみに,この翌日,函館から小樽方面へと折り返す際にも,長万部から小樽までこのキハ150形気動車に乗車した。
キハ150形には,函館本線のほか,富良野線において旭川から富良野まで乗車したこともある。現在でも,富良野線の運用は残っているようだ。
2018年 秋
つづいて,2018年秋ごろ撮影した鉄道風景をご紹介。
10月に「豊橋往復きっぷ」で日帰り鉄道旅に出かけて,そのときに見かけた700系新幹線が,今ではもう見られない風景になっている。
東海道新幹線:700系
写真はこちら↓
JR東海が発売する「豊橋往復きっぷ」をつかって日帰り鉄道旅を敢行した時に撮った写真だ(一眼レフを使いこなせていなくて,露出が残念なのがもったいない…)。
この「豊橋往復きっぷ」は,別途「新幹線変更券」を買うことで,わずか数百円で,豊橋⇔名古屋間で新幹線に乗ることができる。このときは,豊橋から名古屋の復路にて,この特典を利用した。
ちょうどやってきていたこだま号は,700系が運用についていた。2018年の東海道新幹線といえば,もうすっかりN700系が主力となっていて,700系は主として「こだま」や団体・臨時列車での運用が中心だった。
まれに臨時の「のぞみ」での運用もあったようだが,基本的に「こだま」として細々と活躍を続けている状態だった。定期運用としては,もう最晩年だったように記憶している。
ちなみに,このときやってきたのは「B編成」だった。前回記事でも紹介した700系のB編成は,ノーマルの700系(すなわち,E編成をのぞく)のなかでは最後まで残った車両だった。
中間車車体側面のロゴマークや,先頭車側面の「JR700」のラッピングは,デビューからしばらくは輝きを放っていたが….最晩年になるとさすがに汚れと経年劣化で,輝きは衰えたように思えた。
このときは,普通車に乗車して,途中の三河安城停車を含め,2回の加減速を楽しむことができた。結果的には,この乗車が,700系(レールスター:E編成をのぞく)最後の乗車となった。
最新型N700系の乗り心地にすっかり慣れてしまった身ではあっても,700系の走りは十分快適で,未だに第一線で活躍できている「安定した性能」を見せつけてくれた。やはり,700系は,速さと快適さの両立を達成し,後世の車両の「標準」となった車両なのだ,ということをこの最後の乗車でひしひしと感じることができた。
特に意識はせず乗車した700系ではあったが,ある程度鉄道熱が戻って来た段階で,乗車しておいてよかったと思う。
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前回記事でも紹介したように,レールスター(E編成)をのぞく700系新幹線はすべて,引退している。
このようなかたちで,東海道新幹線本線上を走る700系の姿はもう見られない。
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以上,今回の記事では2018年の夏から秋にかけての「今では見られない鉄道風景」を写真にて紹介してきた。
前回記事から今回の記事にかけて,過去から現在へと遡ってきているが,もう見られなくなった風景や列車・車両はまだまだ出てきそうだ。それだけ,ここ数年で,日本の鉄道(特にJR)界隈は「激動した」のだろう。
参考文献
[1] 区間快速「いしかりライナー」廃止から1年~各駅停車化でも大きな影響はなし!? – 北海道の鉄道情報局