松山駅と松山市駅の違い?~JRより民鉄駅が栄えた県庁所在地~

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かなり前に伊予弁に関する記事を書いた。
この記事を書いたのは,地元に帰りたくなったから。
どうも,定期的に松山の空気感が恋しくなるのだ。

名古屋のまちは住みやすくてとても便利だけど・・・
それでも,やっぱり,のんびりした緩い松山の空気の方が肌に合うみたいだ。

今回は,伊予弁につづき,地元・松山に関する記事の第2弾。
鉄道が好きなので,地元の鉄道に関するトピックを書いてみる。
特に今回は,松山駅と松山市駅の違いについて書いていく。

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松山駅:JR,松山市駅:伊予鉄道

結論から先に書くと

松山駅」というのは,JR(予讃線)の駅で

松山市駅」というのは,伊予鉄道(郊外線)の駅だ。

JRが松山駅で,伊予鉄が松山市駅となった詳しい経緯はWikipediaなどに譲る。が,ざっくり説明すると
国鉄が予讃線松山駅を開業する際,すでに開業していた伊予鉄(松山駅)に,「松山駅」の看板を譲るよう圧力をかけたからだ。伊予鉄松山駅がこれに屈して,「松山市駅」に成り下がった,というわけだ。

どっちが栄えている?

そういう経緯で「松山駅」から「松山市駅」へと看板を掛け替えた伊予鉄道だが,
「まち」として栄えているのは,その松山市駅の方だ。

ちょっと手持ちの写真が無かったので,Googleマップのストリートビューから拝借して説明。

Googleストリートビューより。

松山市駅は,大街道~銀天街とつづくアーケード商店街の出口付近に位置している。ちょうど,この写真の後ろ側が「銀天街」の出口にあたる。この写真の左側が,松山市駅。この上には,伊予鉄高島屋の堂々たるビルが建っている。ビルの上には,観光用の観覧車「くるりん」がある(観覧車が重すぎて高島屋を地盤沈下させているとかさせていないとか

上の写真右側,駅の北向にはバスロータリー,
写真中央(植木の向こう)に伊予鉄市内線(路面電車)の電停がある。

松山市駅前の電停はこんな具合。

伊予鉄道市内線(路面電車)松山市駅前電停①
伊予鉄道市内線(路面電車)松山市駅前電停②,ここから「坊ちゃん列車」も発着する。

また,バスが停まっている右側には多くの飲食店,
地下には松山唯一のデパ地下である「まつちかタウン」が入っている。

また,伊予鉄松山市駅は,JRを含めた四国の鉄道駅の中で最も利用者が多い(松山駅はもちろん,四国の玄関であるJR高松駅より利用者が多い!)[松山市駅-Wiki高松駅-Wiki]。

そんなわけで,名実ともに市の中心部にあるのが松山市駅。
市民は,このあたりのことを「市駅 (Shieki)」と呼ぶ。かつては青看板にまで「Shieki」と表記されていたのだから,その浸透ぶりったら素晴らしい(さすがに最近は,Matsuyama-city Sta.とかになっている)。
大街道から銀天街,そして松山市駅にかけてのエリアを「まち」と呼ぶ。

一方,JRの松山駅はというと,こちらは市内中心部からはやや離れている。具体的には,松山城のお濠西側より,数百メートルほど離れたところにある。伊予鉄道高浜線の大手町(おおてまち)駅から西を見ると,JR松山駅が見えるくらい。

大手町駅前は,市内線と郊外線のダイヤモンドクロスがある。鉄道ファンには有名なポイント。名古屋のファンだと名鉄築港線の方が有名だろうか?
大手町のダイヤモンドクロスでは,郊外線の電車が,踏切を使って市内線(路面電車)を待たせる。

関連記事:プラレールと伊予鉄道が鉄道好き大学院生の原点だった

2階建て,県庁所在地の玄関口としては・・・かなり小さい。背後に見えるのは松山総合公園。

伊予鉄道市内線(市内中心部を走る路面電車)の西の端がJR松山駅前電停だ。ちょうど,上の写真の手前から奥に向かって路面電車の軌道が延びていることがわかるだろうか。この写真は,郊外線大手町駅,市内線大手町駅前電停付近から撮影したもの。市内線の走っているところが,昔からの市内中心部だと考えると,JR松山駅は市内中心部の西端ということになる。

市駅の方は,立派なビルやバスロータリーが並んでおり,いかにも「まち」という感じだが・・・松山駅はというと,県庁所在地のJR駅としてはなんともしょぼいレトロで味のある駅となっている。ふつう,JR>民鉄という関係が成立しそうなものだが,ここ松山に関してはその例外の1つだ。

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ここまでの話を,地図にまとめると以下のようになる。

黒で記したJRの線路が,市内中心部の西端をかすめるようにして走っていることがわかる。

ちなみに,松山のメジャーな観光スポット(1)松山城は,市内中心部,(2)道後温泉は東の端にある。それぞれ,路面電車(伊予鉄道市内線)で簡単にアクセスすることができる。また,この地図でわかるように,松山市内中心の市街地自体がコンパクトなので,路面電車をつかえば1日で十分観光が可能だ。

最後に,路面電車の3番線:道後温泉→大街道→松山市駅前の前面展望を貼っておく。これを見ると,松山市内のようすがなんとなくわかると思う。

地元民のイメージ

かつての主力「気動車」,JR四国2000系。松山駅では今でも気動車が数多くみられる。予讃線伊予市(いよし)駅から先は未来永劫電化されないだろうから,これからも松山駅には気動車がやってくる。

地元民のイメージとしては以下の通り。

「松山駅」・・・汽車(今は電車も走っているのだが・・・うちの母なんかは「汽車で帰るんか~」とかよく言っていた)- 比較的長距離の移動のみ,遊びに行くところではない

「松山市駅」・・・電車 – 市内中心部・観光地への移動(市内線),郊外への移動(郊外線)+遊びに行くところ(電車で遊びにいって,終電(郊外線は22:30,クソ早い)までに帰る)

松山市駅は,民鉄である伊予鉄道によって開設され,以降はこの駅をターミナルとして市内線・郊外線を運行し続けてきた。この駅発着のバスも多く走っている。市駅からは,大街道や銀天街,さらには松山城周辺へのアクセスがよい。このことから,松山市駅は,「伊予鉄を使って市内各方面から遊びに行くところ」として成長してきたと考えられる。これは,戦後の民鉄(阪急と宝塚みたいな)の典型的な成功パターン。

あと,Wikipediaの表現が秀逸だったので載せておく。

松山市内には、前述の通り伊予鉄道の松山市駅もある。こちらは「市駅」と略して呼ぶことが多い。特に区別を要する場合、松山駅は「JR松山駅」と呼ばれる。路線の関係から、JR松山駅は主として県内外の主要都市と結ぶ足のやや長い交通、伊予鉄道の方は松山平野内の交通と棲み分けている。

松山駅 (愛媛県)#松山市駅との関係 – Wikipedia

まとめ:JR<< 伊予鉄(私鉄)

伊予鉄道市内線・松山市駅前電停

「伊予鉄道」は,松山市民の足を提供してくれる民鉄だ。

自分が高校生くらい?の時に現在の社長に替わって,市内線から郊外線,バスに至るまで,伊予鉄のあらゆるものがオレンジ色に変わっていったことをよく覚えている。

市内線のくすんだオレンジ色や,郊外電車の同じくくすんだオレンジ色,高速バスのカラーリングが結構好きだったんだけれど・・・全国に誇れる「みかん」をアピールするためなら手段は選ばない!というところか。まあ,塗り替えた色は非常によく目立つし,古臭さがなくていい。

松山は,県庁所在地でありながら,JRより民鉄の駅前の方が栄えている。

こういう例は探すとほかにもありそうだ。

また機会があれば,地元松山に関する記事を書いていく。

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