グラベルキングのTLCを履かせてから1か月半くらい経った.
特に支障なく走れていたのだが・・・
ここ数日,後輪の空気圧低下が激しくなっていることに気づいた.
前輪は,2,3日では空気圧低下は気にならない.
しかし,後輪は2,3日経つと3気圧近く下がってベコベコになっている.
これからロングツーリングをするときに,「2,3日でベコベコ」は困る.コロナで外に出られない今のうちに原因を探ってみた.
チューブレスタイヤの空気圧低下
履いているホイールは「アレックスリム RXD3(リム幅22.6mm)」.
タイヤは「グラベルキング700*28C(チューブレスコンパチブル)」
リムテープは,アレックスリムが発売している「チューブレスキット」の22mmリムテープ
それぞれ使っている.
シーラントとか,バルブとかはこちらの記事に書いてある.
とりあえずビードを上げ直す
チューブレスタイヤのエア漏れ原因,まず疑ったのは「ビード上げ不良」.
リムにタイヤがはまっていないと,そこから空気が漏れることは自明だ.
ということで,空気を抜き,リムからタイヤを外し...
先月買ったばかりのタイヤブースターをぶちかます.
7気圧で一気にビード上げを狙ったが・・・しかし一発でビードが上がらなかった.
これはちょっとおかしい.
初めてタイヤブースターを使ったときは,ビードが一発で上がったのに今回は上がらない.
結局,タイヤ1周のビードを上げるのに,7気圧で3回の空気送り込みが必要だった.
空気が入らない.
ようやくビードが上がったので,リムラインがきちんと出ているか確認する.
見た感じだと,リムラインはちゃんと出ている.
次に,フロアポンプで空気を入れてみる.
すると・・・空気がまったく入らない.
シュシュシュ~~~と,どこかから空気が抜けているようだ.
リムラインが出ていて,リムは上がっているようなのに,空気が抜ける.つまり,「ビード上げ不良」はエア漏れの原因ではないと考えられる.
タイヤを外してみる
次に疑うべき原因は「リムテープ」だ.
クリンチャータイヤ時代に,リムテープのズレでタイヤ内側からスローパンクを引き起こしたのを思い出した.
上の記事は,リムテープがずれたことによってリムとチューブが直接接触したことで「チューブが」破れたという状況だった.
ただ,今はチューブレスタイヤ.
リムテープ上には直接タイヤが乗っかっているだけ.
それなのにリムテープ・・・?
と疑いつつタイヤを外してみると,タイヤのヘリ(ビード)とリムテープがジェル状になったシーラントで接着してしまっている箇所が散見された.
リムテープがめくれ上がっていた
接着部分を指で剥がしてタイヤを全部外すと,リムテープがずれていることが確認された.
このズレが原因だろう.
ずれている部分とタイヤの隙間から,空気がどんどん漏れていった状況は十分ありうる.実際,リムテープがめくれ上がっている部分は,液体のシーラントが半分固化していた.走っているうちか,それとも部屋に置いている間に少しずつ空気に触れて,固化したのかもしれない.
***
それにしても,リムテープはいつめくれ上がってしまったのだろう.
- タイヤをはめたとき
- タイヤブースターで空気を送りこんだとき
- 空気を入れたとき
このうちのいずれかだと思われるが・・・いずれにせよリムテープは交換しないとタイヤははめられない.べたつくシーラントをふき取って,バルブを外して,リムテープをはがす.
リムテープは2周巻いていた.剥がしてみると,ところどころめくれてしまっているのがよくわかる.チューブレスレディのリムテープはちょっと高い.もったいないなあ・・・
余っていたシーラントのうち,吸い取れたのは10mL程度.さっきビード上げしたときに漏れた分と,リムテープに付着していた分を合わせて10mLあるかないか,くらいだろう.最初,入れていたのは40~50mL程度.したがって,20mLくらいは固化したという可能性がある.
リムテープを買った
手元に余分なリムテープがなかったので,Amazonで22mmのチューブレスリムテープを買った.50Mで4,199円.50Mもあることを考えれば,まあ安いかな・・・?
ついでに今(44mm)よりも長いバルブを買った.
新しいリムテープをはる(失敗)
新しいリムテープは,FOURIERSというメーカーの22m幅を買った.50Mで4,000円,80円/Mは,Amazonで発売されているほかのリムテープよりも割安だった.
となりに写っているのは,併せて買ったIRCの70mmチューブレスロングバルブ.
さて,リムテープをはりかえていく.
まずはリムをきれいにして
新しいリムテープを2周分貼る.のだが・・・新しいリムテープは粘着力が絶望的に弱い.貼り始めたところを抑えていないとすぐに剥がれてしまう始末.全然うまく貼れない.
上の写真のように,空気が入ったままタイヤを入れてしまうと,盛大にエア漏れする.リムテープが浮いてしまっていると,密着度が低い.だから,リムに開いている穴や隙間からどんどん空気が逃げる.
リムテープがうまく貼れないと,シーラントを入れてもどうにもならない.実際,上の写真の状態でシーラントを入れ,空気を入れても2barまでしか入らないし,一晩経つとベコベコになってしまう.
チューブレスタイヤ、新しいリムテープ巻きなおしたら激しく空気漏れ…
4,000円50Mのリムテープ…80円/M…雑にリムテープ巻くんじゃなかった…明日巻き直し…
— タケ|自転車&鉄道旅 (@take26confi) April 28, 2020
リムテープ貼り直し(成功)
結局,翌日さらに2度の貼り直しを行った.
合計3回FOURIERSのリムテープを貼ったことになる.3回目でようやくうまく空気を入れることができた.
原因についていろいろ考えた.1回目はたぶん,テープの密着度が低かったうえに,バルブ穴のあけ方が雑だったのがよくなかったと思われる.
そのほかの原因としては,バルブの密着度の低さも考えられる.
リムテープ貼りに失敗したとき,エア漏れはバルブ付近から起きていた.だからバルブの密着度が低いのかな?・・・
と思っていたけど,リムテープの浮いた隙間から,空気が出口を求めてさまよった結果,バルブから漏れてきたという可能性も考えられる.
実際,リムテープをじっくり丁寧に貼った3回目は,1・2度目の雑に貼った場合と同じくらいの力でバルブを設置したが,バルブ付近からのエア漏れは起こらなかった.
う~ん,結局リムテープが悪かったのかな?
確たる原因を突き止められないまま,タイヤをはめる作業へ移る.
***
リムテープを貼り直し,タイヤをはめて,シーラントを入れずに空気圧をあげていく.チューブレスレディなので,シーラントを入れないとエア漏れは必ず起こる.それでも,1回目・2回目に貼りなおした時よりもエア漏れは少ないようだ.
なんどか空気圧を上げ直すと,最大気圧まで入るようになった.
・リムテープ巻きなおし(×2)
・バルブしっかり取り付け
・最大空気圧で放置(×3)
・シーラントはまだ入れない!ここまでやったらリムテープとビードが馴染んできて、エア漏れのペースが落ちてきた! pic.twitter.com/8n40cLrQKv
— タケ|自転車&鉄道旅 (@take26confi) April 29, 2020
このとき,タイヤを付けた後すぐにシーラントを入れるのではなく,何度か最大空気圧にして放置することが大事だな~と気づいた.そうすれば,顕著なエア漏れを見つけたときに,シーラントの始末をしなくて済む.また,貼りたてのリムテープが高気圧に押し込まれて,リムと密着度を上げる効果も見込まれる.
シーラントを入れると完ペキ
シーラントを入れないまま一晩おいて,タイヤがベコベコになっているところにシーラントを流し込む.シーラントはIRCのものを使っている.特にこだわりはなくて,最初に履かせたチューブレスタイヤがIRCだったから.
シーラントを入れたら,グルグルゆっくり回転させる.傾けたり,ジャバジャバ振ったりして,全体によく行き渡らせる.今までは疎かにしていたけど,こうやってシーラントをしっかり行き渡らせることも大事だと気付いた.
シーラントがよくなじんだら,バルブを9時より上の方向へもっていって空気を入れていく.
最初はバルブあたりからブクブクシーラントが出てきた.しかし,バルブナットを軽く増し締めするだけで,エア漏れはほぼ収まった.
なお,ビードからぶくぶくシーラントが出てくることはなかった.シーラントを入れる前の段階で,気圧を何度かあげて放置しておいたのがよかったのかもしれない.それでリムとビードの密着度が上がったのだと思っている.
***
さらに一晩おいて,空気圧が下がっていないことが確認できたら,試験走行に行ってなじみだしをする.
はあ~長い道のりだった・・!
【追記】チューブレス化の恩恵をまとめました。手間をかけてもあまりあるメリットを享受できています。
エア漏れのチェックポイント
最後に,リムテープ貼りつけに失敗したことも含めて,今回のチューブレス化における
エア漏れ要因のチェックポイントをまとめておく.
- リムテープはちゃんと貼れているか(空気が入っていないか?幅は適正か?)
- バルブゴムはしっかり押し込めているか?
- バルブナットはしっかり締めているか?ゴムは付け忘れていないか?(ただし,オーバートルク・工具による増し締めは厳禁!)
- タイヤを付けてもすぐにシーラントを入れるな!(何度か高気圧にして,リムとビードを密着させよう)
- 4.で最大気圧まできちんと入るか?(入らないなら,1.~3.のどれかがマズい)
- シーラントはちゃんとタイヤ全体に行き渡らせたか?
以上,6つ.
これからチューブレスに挑戦しよう!という方への,アドバイス.同じ轍は踏んでほしくない...
***
チューブレスタイヤは,テクニックと金が多少必要なのが欠点だけど,その欠点を補って余りある快適さが手に入るからやめられない.
チューブレスはいいぞ.
まとめ:安物買いの銭失い?
貼りにくいリムテープのおかげで,かなり苦労してしまった.
FOURIERSのリムテープは,自分のリムとは相性が悪かったようだ.もし,これからリムテープの貼り替えをするのに新しいチューブレスリムテープを買おうとしているのであれば,少々高くても
NoTubes(¥200 / m)
SCHWALBE(¥358 / m)
あたりがオススメだと思われる.安いリムテープは結局貼るのが大変だし,貼りなおすのでたくさん使ってしまう可能性もある(僕のように・・・)
***
また,今回のスローなエア漏れ(2~3気圧 / week)によって,「リムテープは消耗品である」ということに気づけた.特にチューブレスリムテープは,少しでも傷んでしまうと,密着度が低下して空気保持力が下がってしまう.
タイヤ交換の機会(1シーズンで1~2回程度?)にあわせて,リムテープも交換しておくのがよさそうだ.
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