去る9月29日は,中秋の名月だった。中秋の名月とは,太陰太陽暦(旧暦)で8月15日の夜に見える月のことを指すそうだ。(参考:国立天文台HP)
したがって,必ずしも満月というわけではないが,たまたま2023年の中秋の名月は,満月だった。
せっかく,K-3iii(と,新しい望遠レンズ)を手に入れたので,(柄にもなく)花鳥風月の一角を愛でることにした。
K-3 Mark iiiとHD PENTAX-DA 55-300mm PLMで撮る満月
K-3iiiを手に入れた話は,以前の記事で書いたが,
これに加えて,最近,「HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE」を購入した。
以前にも,smc版の55-300mm(K-30のキットレンズ)を持っていたが,これのHD・パルスモータ駆動・防滴版だ。(smc版は,K-3iiiを買う時に下取りしてもらった)
このレンズ,安いのにかなりの高性能。ネット上での評判も上々。
しかし,月を撮るのに,300 mmの望遠は少々力不足感がある。
そこで使うのが,K-3iiiに備わっている「クロップ機能」だ。これは,レンズのテレ端で撮った画像に対して,さらに1.3倍もしくは1.7倍拡大した画像を得られるというスグレモノ。
今回は,上記レンズのテレ端300 mm(フルサイズ換算460 mm)×1.7倍クロップ=510 mm(換算 780 mm)で,東の空にうかぶ満月を撮ってみた。
結果は,こんな感じ。
いかがだろうか。プロが撮るような巨大な月の写真ではないものの,表面の地形が見えるくらいには大きく撮れた。
月は,夜空に浮かんでいるものだから,つい明るく,明るく撮ろうとしてしまう。けど,よく考えてみれば,光源は太陽の光だから,実は相当明るい。この写真では,ISO感度は100,シャッタスピードは1/250 sだ。
一方,ふつうに夜景を撮ろうとすると,月と同じパラメータでは撮れない。
望遠レンズでは,圧縮効果が働いて,結構面白い構図を作れるのだが,このレンズは,絞り開放でもF5.6。そんなに明るくない望遠レンズなので,以下の写真では,ISO感度6400,SSは1/20 sだ。
シャッタスピードが1/20 sなんて,K-30ではまず手持ちで撮れない速度だ。一般的には,1/60 sを切ると,手持ちでは撮影が難しくなるといわれている。
一方,K-3iiiでは,Shake Reductionが強力に効いてくれるおかげで,1/20とかいう速度でも,ぱっと見る分には手ブレなく撮れる。
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こんなふうに,月と,その他の夜景とでは,明るさが全然違う。もし,太陽と,ふつうの被写体とを同時に収めようとすると(やってはいけない),太陽が白飛びするか,あるいは,被写体が黒潰れしてしまうだろう。それと同じことだ。
でも,なんとかして,月とほかの被写体とを重ねた写真も撮りたいと思って,ふと見上げたところにメタセコイアの木があった。葉っぱが特徴的な筋の入った形をしていた。これを写し込んで撮ってみることにした。
立体感があって面白い写真に仕上がった。
今度は,もう少し幾何学的な,建物なんかと一緒に撮ってみたいと思った。満月は,中秋の名月でなくてもやってくる(最近では,なんとかムーンと呼ばれることもある)ので,機を見て撮りに行きたい。
とにかく,雲一つない快晴の夜でよかった。
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最後に,上記のクロップ画像をトリミングしたド迫力ムーンを貼っておく。これでも,解像度は993×1490だった。K-3iiiは,同じAPS-Cでも,K-30とは比べものにならない高画質だ。
たいして腕もない素人でも,こんな月を撮って,スマホで眺められる。
K-3iii,最高の玩具ですね。
(おわり)
※ちなみに,次に中秋の名月と満月が重なるのは,7年後だそうです。