金のために時間を拘束されるのはとても辛い

久しぶりに,時間拘束的なアルバイトをやったら,とにかく苦痛だった。

自分で出勤・退勤時間を決められないサラリーマンになったら,こういう苦痛を味わうのだろう。

若手のうちは,研究職として身を立てていきたいが,働き方には十分注意したいと,ひしひしと感じた。

あと,今回のバイトとは全然関係がないが,研究職としての働き方についても考えた。

久しぶりのアルバイトから学んだこと

アルバイトが辛すぎる

大学生から大学院生になったが,時間が自由であることは変わらない。

この状態が,サラリーマンにとっては普通でないということは,大学にいる間はあまりわからない。

この間,研究室のメンバ数人が,国際会議へ動員されることになった。この会議はオンラインで行われて,これの運営を,PCの前に数時間拘束されることになったわけだ。

特に新しいことはない。決められたことを,決められた時間やるだけ。

「ああ,勤務時間や仕事内容が決まってて,お金(給与)のためにその間を拘束されるのって辛いな」と,「勤務時間が自由であることの快適さ」に気づいた。

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サラリーマンが不幸なのはなぜか

この点から考えると,「勤務時間や仕事内容が決まっていて,お金(給与)のために時間を拘束される」サラリーマンは不幸だ。

橘玲氏 著『幸福の「資本」論』にも,「サラリーマンは不幸である」とのことが書いてあった。以下はその論点の要約。

幸福度を縦軸にとり,働き方を横軸にとる。ここで,横軸は:自営業 – サラリーマン – 公務員とする。このとき,幸福度は,左右が高くて,真ん中が極小となる。すなわち,二次関数的なかたちになる。

自営業は,人間関係や仕事の時間を自分の裁量で決められる。「自己責任」だけど,自由度が高いので,うまく回ればストレスがかなり小さい。

公務員は,その真逆で,自分の裁量で仕事の内容を決められない。ただし,定年までの安定した生活や,多額の退職金による安定した老後の生活が確保されている。

サラリーマンは,その真ん中で,会社がある程度責任を持ってくれる代わりに,勤務時間や人間関係,仕事内容は自由に決められない。基本的には会社の都合に縛られる。それなのに,会社がつぶれるというリスクがあり,もしそうなった場合は,「給与」と「人間関係」という,生活の糧を失ってしまう。

彼らは,将来の安定も,現在の時間も,会社に握られている。自分の時間の使い方を自営業ほど自由に決められないうえに,将来が公務員ほど確保されていない。おまけに,税金をどっさりとられていく。

以上の考えから,同著の筆者は,サラリーマンを自営業や公務員より「不幸」だと考えられている。

時間の自由度が高い職場がいい

ここまでの考えから,多少給与が低くても,家族を養える程度のお金が入ってくるのであれば,時間の自由を選べる職場で働きたいと思った。

今は,研究職で身を立てたい,と思っているが,研究職で立ち上がっていくためには,いきなりフリーランス(自営業),というのは難しい。

だから,博士を出たら,とりあえずは研究所に入りたい。研究内容はもちろん大事だが,時間の拘束がゆるいところ,具体的には,フレックスタイムやスーパーフレックスを採用しており,コアタイムが短時間であるところに入りたい。

研究職の,その先は

ベンチャービジネス特論:ベンチャー論で有名な先生が

20~30代で何事かを成す。

40代でまったく違うことをする。

60代でまた違うことをする。

という形での人生設計を勧めておられた。これは,研究を志す大学院生にとっては,結構な覚悟が必要な人生設計だと思う。なぜなら,新卒の大学院生あるいは博士学生にとって,「研究のその先」というのは,なかなかイメージがしづらいからだ。

でも,この人生設計は,理にかなっているとも思う。

まず,研究においては,頭のキレや柔軟な発想が必要だが,これをもっているのは若い人だけ。ただ,20代前半の大学院生や博士学生は,これと同じくらい重要な知識と経験を持っていない。

アタマがまだ衰えなくて,かつ,知識と経験が飽和しかかってくる30代前半から後半くらいまでが,研究者として著名な成果を生み出せる期間だと考えられる。

それ以降は,知識と経験は十分だけれど,頭のキレが若い人より悪くなってくる。成果は生み出せるかもしれないが,効率は相当落ちてくると思われる。また,40代に入ると,今度は管理職的な仕事(会議,書類など)が増えてきて,自分の研究をやる時間もなくなると推測される。

だから,研究者としてバリバリ活躍できるのは30代までで,それまでに大きな成果を1つ挙げ,研究能力が落ちてくる40代にキャリアチェンジをした方がいい,というわけだ。

じゃあ,キャリアチェンジした後,どういう風に歩んでいくか?これはまだ,具体的には思い浮かばないけど,「40代で管理職に就いた場合」並みか,それ以上の給与,もしくはやりがいが手にできなければ,キャリアチェンジする意味はない。それを実現するには,相当の準備や工夫が必要なのは,容易に想像できる。

研究だけが仕事じゃない,というのはよくわかっている。じゃあ,何をするのか?それも,研究職のキャリアを歩みながら考えておいた方がよさそうだ。

まとめ

以上,とてもつらかったアルバイトを終えて考えたことでした。

要するに自分は,サラリーマン的な働き方に向いていないということです。。。

研究職へ就くために研究所へ就職する可能性が高いですが,働き方には十分注意したいですね。

入った後も,脳死で研究だけやっているのではなくて,研究能力が落ちてきたときのキャリアチェンジのための準備もいろいろやっていきたいですな。

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