17両編成の「はやぶさ110号」で仙台から帰京【出張記#10】

多くのはやぶさ号は,秋田新幹線「こまち」号を併結して運転される。この場合,「はやぶさ」は盛岡で「こまち」を下り方に連結する。そして,盛岡から「はやぶさ・こまちXX号」として東京へ上ってくる。これは,現在では,E5系(H5系)「はやぶさ」10両+E6系7両「こまち」の17両編成となる。一方で,一部の「はやぶさ」は,「こまち」を繋がずに単独で運転する。すなわち,E5系10両編成で,「はやぶさ」として走る。一例として,先日の北海道への出張にて乗車した「はやぶさ5号」が該当する(2025年のダイヤ)。

参考:はやぶさ5号で函館へ【出張記#5】

以上が一般的な東北新幹線「はやぶさ」の運転体系なのだけど,先日の仙台出張の帰りに,ちょっとおもしろい「はやぶさ」に乗ることがあった。隔日運転の「はやぶさ110号」で,仙台から東京までの時刻は次の通り。

仙台18:22発→東京19:50着(4110B)

仙台駅の案内表示器にて,「はやぶさ110号」を見る。9分後に「はやぶさ・こまち34号」が追いかけてくることにも注目。

所要時間はきっかり1時間28分で,途中の停車駅は大宮・上野のみ。一見するとほかの「はやぶさ」と変わらない。ただし,車両については,上記のいずれにも該当しないものだった。具体的には,はやぶさ単独であるにも関わらず,E5系10両+E6系7両を併結していた。E6系を繋いでいるにもかかわらず,営業上は「はやぶさ・こまち」として運転していない。

「やまびこ」では,E6系とE5系が併結し,17両編成で単独運行されることも多い。(画像:東北本線を新幹線でワープ~時刻表の愉しみ|鳴子温泉→北上|夏の東北鉄道旅(5)

これにはちょっとしたカラクリというか,種明かしがある。それは,この列車が盛岡始発であるということ。つまり,秋田新幹線区間を運転していないため,そもそも「こまち」号と名乗る必要がないだけ。さらにおもしろいのは,はやぶさ110号は,仙台から速達運転することはほかの「はやぶさ」と変わらないけれど,盛岡から仙台までは各駅に停車してきていた(盛岡17:07発→仙台18:20着)。

「はやぶさ110号」の運転時刻(2026年3月14日改正ダイヤ),出典:時刻表 停車駅一覧(新幹線はやぶさ110号(盛岡ー東京)):JR東日本

このことから,はやぶさ110号が,盛岡〜仙台の各駅間の乗客を拾ったうえで,東京方面へと運ぶ列車であることがわかる。

ダイヤ上では,はやぶさ110号のすぐ後ろには,「はやぶさ・こまち34号」が走っているのもまた面白い。「はやぶさ34号」は新青森始発で,盛岡にて「こまち34号」を併結すると,「はやぶさ110号」から43分遅れて出発する。その後,仙台までノンストップで走り,18:29に到着する。「はやぶさ110号」が1時間以上かけてのんびり走るところを,40分足らずで走破してくるのだ。これにより,仙台駅基準では,「はやぶさ・こまち34号」が,「はやぶさ110号」に9分差まで迫ることになる。

ところが「はやぶさ110号」は,仙台でずんだシェイクを携えた客を大勢乗せると,後続のはやぶさ・こまちから必死で逃げつづげる。その結果,「はやぶさ・こまち34号」から14分差をつけて東京駅に到着する。すなわち,仙台⇔東京間の所要時間では,「はやぶさ110号」の方が5分短い。

東海道新幹線ほどではないにせよ,東北新幹線は南へゆくほど過密になる。東京駅での折り返し作業は,いつもギリギリ。(Most Favorite Shinkansen train (Tokyo sta., 2024 – summer)

ただし,大宮駅以南では,上越・北陸新幹線とも歩調を合わせなければいけない。また,東京駅での折り返しの都合もある。このようなことから,一概に「はやぶさ110号」が急いで走っているとは見られない。むしろ,続行の「はやぶさ・こまち34号」が,前を走る「はやぶさ110号」との間に上越・北陸系統の列車を入れて,少しゆっくり走っているとも見ることができる。とはいえ,17両編成の単独の「はやぶさ」にはなかなか乗ることができないので,偶然ではあるものの,ちょっと面白い体験だった。

(おわり)


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