
10月上旬,1泊2日の出張で熊本へ行ってきた。4月に関東へ引っ越してきてから,九州はおろか,大阪以西へ行くのも初めてだ。
前回,熊本(をふくむ九州)へ出かけたのは,2024年3月(博士後期1年)に,フリーきっぷで鉄道旅をしたときだ。九州までは,当然のように,東海道・山陽新幹線をのりついでアクセスした。
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名古屋にいたときは,このほかにも何度か九州へ旅しに行った。いずれも,新幹線で往復した。いまは関東にいるから,九州は名古屋にいたときよりもさらに遠くなった。新幹線で熊本まで行こうとすると,7時間以上かかる。移動だけで1日仕事となってしまう。遊びで熊本へ行くのであれば,それでもかまわない(むしろそのほうが好ましい)のだけど,今回は仕事(出張)。しかも,先輩の仕事へ同行させてもらう形だった。
このようなことから,おとなしく羽田空港から熊本へ,往復とも飛行機にて出張してきた。

名古屋で学生をやっていたころは,よほどの遠方or学業上の用事でない限りは,新幹線で移動してきた。その「よほど」の場合も,せいぜい北海道か沖縄なので,中部国際空港(セントレア)しか利用しなかった。国外へも出かけたことがない。
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そういうわけで,今回の出張が,はじめての羽田空港の利用となった。羽田空港には3つターミナルがあって,そのうち2つ(第1・第2)ターミナルが国内線の発着に使われているそうだ。出張では,会社の経費で航空券を買えるので,フルサービスキャリア(FSC)をつかう。国内では,ANAとJALがこれにあたる。
ANAの便は,基本的に,羽田空港第2ターミナルから出発する(と書いているが,ANAアプリでオンラインチェックインするまで知らなかった)。一方,JALの便は,第1ターミナルから出発する。

ANAとJALは,それぞれ毎時1本程度ずつ,羽田⇔熊本便を運航している。鉄道マニアから見て面白いのが,ANAとJALそれぞれの運行便が,(運航スケジュールのうえでは)同時刻に発着するようになっている,ということだ。
たとえば今回,熊本までの往路に,
ANA645(NH645)便:羽田14:55→熊本16:40
へ搭乗した。いっぽう同時間帯では,また,
JAL633(JL633)便:羽田14:55→熊本16:40
という便も運航されている。ほかの時間帯では,ANA,JALに加えて,ソラシドエアも熊本便を運航している。
さっき書いたように,羽田空港の国内線は,2つのターミナルから出発できるので,このようにしてパラレルで複数の会社が同じ行き先へ飛行機を飛ばせる。
鉄道の場合,同じ方向へゆく列車は,複々線:同一方向へ二本以上の線路が並行するのでない限り,必ずシリーズに走っていく。いいかえれば,同時刻に同じ行き先(方面)の列車を出発させることはむずかしい。
線路という制約がないからこそ,このようなことができるのだと,時刻表をみて勝手に面白がっていた。さすがは日本随一のハブ空港。
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出発の1時間以上前には,保安検査場を通過した。ANA645便は,58番から出発するようだ。ひとまず,のりばがどこにあるかを確認しておいた。

それから,第2ターミナルの一部を散歩した。羽田空港は,とにかく広い。第2ターミナルだけでも,たくさんののりばがある。
行き先は,熊本以外にも,北海道・中国・四国地方,九州・沖縄地方を中心に,多岐にわたっている。案内表示には,鉄道ではとても及ばないような長距離の目的地がずらりと並ぶ。いずれも,鉄道なら4時間以上かかるか,空路でしか行けない目的地ばかりだ。
そんな各地へむかう飛行機への搭乗口を見て,旅情をかき立てられながら歩いた。ガラス張りのターミナルから,滑走路が見える。いい天気だ。飛行機日和?

さっきも書いたように,第2ターミナルからはANAを中心とした航空会社の便が発着している。ソラシドエアもいるけれど,この時間は,ほとんどANAの航空機が並んでいた。写真には撮っていないけど,この反対側には,それこそANAの航空機が10機近く並んでいたと思う。整然と居並ぶ青の翼は,空の青色・海の青色を思い起こさせる。JAL機の鶴丸もいいけれど,個人的にはANAのブルーの方が好みだ。
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そのあと,のりばの前の待合所で30分くらい時間をつぶしてから,目的の往路便:ANA645便に搭乗した。機材は,エアバスA321。この機種にのるのは初めて。座席数は194席(うち8席はプレミアムクラス)で,普通席は3×3の配置になっている。
A321には,すべての座席背面にパーソナルディスプレイが搭載されている。前方や下方カメラ映像,フライトインフォメーション,コックピットからの3Dイメージなどを観ることができた。アナウンス時には,その旨がディスプレイに表示されるが,それ以外は,いつでも自由に観られる。

鉄道やくるまは窓側座席が好きだけど,飛行機に限っては通路側の方が好みだ。鉄道車両と比べると足元が狭いから,窓側座席は(通路側にも着席があると)かなり窮屈に感じられるためだ。通路側であれば,その窮屈感が多少緩和される。
ただし,通路側の場合,窓から外の景色を眺めることがむずかしい。
その点,A321のパーソナルディスプレイでは,窓からでは見られない前面映像や下方映像を見ることができるので,通路側の欠点はほとんど解消できる。おかげで,熊本まで2時間弱のフライトも退屈しなかったし,揺れで気持ち悪くなることもなかった。もちろん,ずっとディスプレイを見ているわけではなく,音楽を聴きながら論文を読んだり,ぼーっとしたりしてもいた。
最近の飛行機では,フリーWiFiをつかえるとはいえ,地上の4G(最近では5G)より低速であることは明らかなので,思い切ってスマホをみない時間にするのもいい過ごし方だと思う。
熊本空港へは大きな遅延なく到着した。熊本空港の滑走路は台地のうえに造られていて,羽田やセントレアのような海にちかい空港へ降りて行くのとはまた違った迫力があった。
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熊本到着後は出先まで移動して,1泊。翌日は予定通り仕事を済ませ,午後には熊本空港へ戻ってきた。

帰りの羽田ゆきは,
ANA648便:熊本17:25→羽田19:05
に搭乗した。熊本→羽田航路でも,JAL・ソラシドエアが,ほとんど同時刻で並列運航されている。ただし,熊本空港は羽田空港ほど大きくないので,順次発着となる。17時台はJAL便が並列運航されていて,
JAL634便:熊本17:35→羽田19:10
と,ANA便より10分遅れて熊本を出発するようになっている。ただし,飛行機に遅延はよくあることで,この日もANAは定刻通り出発予定だったが,JAL便は定刻より5分遅れの出発予定となっていた。

熊本空港では土産をいくつか買ったあと,カードラウンジへも行ってみた。羽田空港と同じく,こちらも人生初の空港ラウンジである。ネットでちょっと調べてたところだと,空港ラウンジというのは,航空会社や空港,利用するひとのステータス等によってサービス内容がまちまちであるように読み取れた。
ちなみに熊本空港の旅客ターミナルにあるラウンジは,「ラウンジASO」のみ。飲み物が無料+ビール1杯サービス,新聞や雑誌が置いてあるほか,WiFi・コンセントなど利用できた。これくらいが標準的なラウンジサービスかな?金曜日の夕方だったことから,各地へ出かけるひと,仕事帰りのひとで結構混雑していた。搭乗20分まえに羽田便へ向かうころには,ほとんど満席だった。

帰りの便の機材は,767-300(ボーイング767-300(76P/763))だった。座席数は270席(うち10席はプレミアムクラス)で,行きのA321より80席近く多い。金曜夕方の便だから,座席の多い便を充てているのだろうか?航空機の運用にはあまり詳しくないので,よくわらかない。
767-300の普通席は,2-3-2の配置だった。国内線を飛ぶ200席以上のジェット機は,このように3ブロック配置になっていることが一般的みたいだ。鉄道車両とはちがって,飛行機の座席配置は機種(≒定員)によってまちまち。日時によって柔軟に機材を変えられる一方で,予期せぬ機材変更では,大幅な座席変更が生じてしまう可能性もあるのかな?
金曜夕方,ANA648便の機内は8~9割近く埋まっていた。この日は,西日本を中心に天候が芳しくなかった。そのため,離着陸時ともに揺れることが予想されると,CAさん(着陸前にはキャプテン直々に)機内放送された。
まだまだ飛行機に乗り慣れない私は,前記の放送を聴いてひとり戦々恐々としていたが,水平飛行中は比較的安定していた。おかげで,心穏やかにして,論文のつづきを小1時間読むことができた。それに,天候は思ったほど悪くなかったようで,羽田へも難なく着陸した。気流が乱れたときにおこる,ふわっとした縦揺れが苦手なので,これはよかった。
しかし,降りたところはボーディングブリッジが付けられないところ(なんというかわからない)だったので,バスで到着ロビーまで移動する経験をした。これは結構珍しいのでは?
到着ロビーを出たら,空港で夕食を食べて帰路に就いた。
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以上,いろいろとはじめてづくしの熊本出張記でした。飛行機にも以前よりは乗り慣れてきたかな?
(次の出張記へつづく)
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