所属している大学でも,新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。
職域接種で,居住自治体に依らず接種できるようだった。
なので,予約をして1回目の接種を受けてきた。
接種の流れや,接種会場のようす,そこで考えたことを記録しておく。
新型コロナワクチンの職域接種
まずは予約から接種までの流れを記録しておく。
予約:Webから
今回の職域接種は,複数大学の学生および職員を対象として行われている。
接種は完全予約制で,事前に予約開始日時がHPにて公開された。
多くの人がワクチン接種を希望すると考えられ,Web予約開始直後はアクセスが集中することが予想された。
なので,予約が開始される時刻まで研究室に居た。それまでの時間で作業をしていた。ちょうど学会発表が近づいていたので,発表用パワーポイント資料の修正をしていた。予約開始時刻は午後7時。結構遅い時刻だ。
そんな時刻まで,わざわざ研究室に残ったのは,
研究室の有線ネットワークの方が,下宿の無線LANより,高速で途切れづらいと思ったからだ。
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開始時刻になったら,予約ページを開いてアクセス。
案の定,重い。
居室にいるほかの学生と,「やっぱり重いよな~わかってたけど」と愚痴りながら,接続を続けた。
とりあえずF5キーを押しつつ,リロードしまくって,予約画面が現れるのを待った。
何回目かのトライの後,なんとか予約画面につながった。事前に控えておいた入力情報を,フォームへ入力して送信した。送信後も,アクセス集中により何度かエラーになったが,数分ののち送信できた。
無事に予約が完了したようだ。メールボックスには自動配信メールが届いた。そこには,1回目と2回目の接種日時・時間などが記されていた。
武田/モデルナ製ワクチン
今回接種を受けるワクチンの種類は,武田/モデルナ製だった。
このワクチンは,「1回目の接種から,28日(4週間)間隔を空けて2回目の接種を行う」ことになっている。
今回の職域接種予約では,1回目の接種日時を入力すると,自動的に2回目の接種日時も決められた。4週間空ければ,前後2,3日位ずれてもよさそうなものだが・・・
限られたワクチンをムダなく打つためには,1・2回目とも確実に(キャンセルなく)来てもらいたいのだろう。
接種当日
接種に必要なものは以下の通り。
- 腕まくりしやすい服装
- 予診票
- 接種記録表(2回目まで使用)
- 保険証(なにかあったときのため)
- 学生証(身分確認)
自治体の接種であれば,これに加えて「クーポン」が必要だろう。また,学生でなければ身分証明は保険証,もしくは運転免許証になるのだろう。
服装にかんしては,7月の接種ということで,なにも気にする必要がなかった。暑いから半袖シャツ1枚でちょうどいい。
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接種の流れは,以下の通り。
- 入場→受付(検温・消毒)
- 予診票確認
- 医師による予診(Goサイン)
- 接種(大学病院の看護師さん)
- 接種記録・2回目の案内
- 経過観察(15分)→退場
やることはこれだけなのだが,入ってから出るまでに1時間かかった。
そのうちの大半(40分以上?)は,受付に並ぶ時間だった。
医師による予診は,献血前の予診と同じような形式だった。ついたてで仕切られたスペース(4つほど)で,1分ほどで終わった。ここで特になにもなければ,医師によるサインが予診票に記入され,Goサインが出るようだ。
接種は,大学病院の看護師さんによって行われた。こちらもついたてで仕切られたスペースが5つほどあった。向こう側に看護師さんが居て,自分はこちら側に,看護師さんと90度ずれた方を向いて座る形式だった。
椅子は看護師さんから向かって左を向いており,右利きの人が左腕に接種を受けやすいようにしているのだと思った。自分は右利きだから,座ってそのまま接種を受けた。
接種の前には,「結構待ちましたか~?」と聞かれたので,「受付で時間がかかりましたね~…あそこがボトルネックな気がします」と率直な感想を話しておいた(後述)。針は非常に細く,インフルエンザワクチンより痛みが少なかった。というか,ほとんど刺さった感覚がなかった。
接種後は,接種記録となるシールを,接種記録表にもらった。これを次回の接種時に忘れずに持ってくるようにとのことだった。
接種後は,15分の経過観察ののち,退場となった。
特に顕著な副反応は出なかった。これにて1回目の接種は終了。
アナログな事務作業が接種のボトルネック!
この職域接種は,多くの関係者の努力によって実現している。
その点については,十分承知している。ワクチンの接種が進んで,この未曾有の事態が収束へ向かうのを願っている。
そういう前置きを書いたうえで,今回の接種で不満だったことも書いておく。
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今回の職域接種において,(時間的な)ボトルネックだったのは「受付」のところだ。
大学ごとに並んで受付を行っていたのだが,各大学1名ずつで対応していた。
その前には,これから1時間の接種予約を取っているであろう,数十名が列を作って待っていた。
受付には,1人あたり数分はかかっていた。自分が並んだ時,前には30人以上はいた。ゆえに,受付を通過するまでに40分以上かかったのだ。
にもかかわらず,予診確認から予診,そして接種までの時間は全部で10分少々。ついたてで仕切られた接種スペース付近の人はまばらだった。
受付と接種,この人口密度のアンバランスから,受付がボトルネックであるといえる。
じゃあ,なんでそんなに待たないといけないかというと,
- 受付対応する係員が,予診・接種のキャパに対して少ない
- 受付チェックが「紙とペン」
この2つの要因が考えられる。
1.受付対応を増やした方がいい
まず,受付係員の数が少なすぎる。
受付の前にはずらりと列ができているのに,接種・予診には列がないのはおかしい。
もうちょっと受付側の人数を増やして,接種・予診側の空き時間を減らすべきだ。
今回の会場では,以下のような人数配分だった。
- 受付:4人(各大学1名)
- 予診(医師):4人
- 接種(看護師):4人
このような配分にしたのは,
「予診と接種は,専門性が必要で時間がかかるだろうから,受付と人数を合わせて,おちついて対応にあたってもらう」
という考えがあったと推測している。
でも,実際に接種を受けてみると,対応に要した時間は,受付>接種・予診だった。
接種を行う看護師さんと,予診を行う医師は,もちろんプロ。一刻の猶予もない,死と隣り合わせみたいな現場で働く看護師さんも派遣されてきているかもしれない(大学病院だし)。
そういう方々は,やはり要領がいい。実際,非常に落ち着いておられた。まだまだ余裕ですよ,といった感じ。
一方,受付の方はどうだろうか。
こちらは,その前に大量の待ちを作り,余裕のない顔で対応されていた。
このアンバランスを解消するには,受付人数を増やすべきだ。
そうすれば,余裕のある看護師さんや医師の本領を発揮することができて,より効率よく短時間で接種が進むと考えられる。
2.パソコン使って!エクセルでもいいから!
次に,受付業務がアナログすぎる。
今日の職域接種では,
予診票を提出すると,それと学生証を見比べ,本人確認をしていた。
そこまではいいのだが・・・そのあとが問題だった。
なんと,紙の接種予約者リストの中から,自分の名前(および番号)を探していたのだ。そこには,分刻みで予約されている膨大な予約者(数十名はいただろう)が並んでいた。そして,何十秒かののち,見つけたようで,そこにピンク色の蛍光ペンで線を引いていた。
つまり,受付作業がアナログ(紙とペン)で行われていたのだ。
この作業で,数十秒は消費していた。ひとりあたり数十秒でも,数十人積み重なれば,それは何十分にもなってしまう。これでは,せっかくのベテラン看護師さん・医師の技量も,十分に発揮されない。
受付のおばさんを悪く言っているのではない。
最先端を探求する場所であるはずの大学が,こんなことをアナログの手作業でやっていてはいけないということだ。
たとえば
予診票や予約をQRコードにまとめて,それをスキャンするだけで接種実績が大学側へ記録される
とか,
せめて接種者リストのエクセルが入ったパソコンでチェックする
とか,
ディジタル化する方策はいくらでもあると思う。とにかく,紙とペンでチェックなんかしていたら,時間がかかってしょうがない。
こんなことが,きっと自治体や行政ではあたりまえのように行われているのだろうなと思うと,日本の将来が不安でならない。
IT系(や理系)の人材は,どんどんメーカーや大企業,さらにはIT系のventureへ流れていく。そして,本来は市民にもっとも近い場所にいるはずの自治体や行政が,どんどん時代から取り残されていく。
こんな問題が,きっと将来顕在化するだろう。
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以上が,今回の職域接種に対する不満。
思ったより長くなってしまったが,比較的早く接種を受けられたことにはとても感謝している。
ここに書いてある内容を見て,なんとなくどこの大学か勘づいている方もおられるかもしれない。が,このブログでは具体的な大学名は書かないようにしているので・・・もし勘づいても黙っておいて頂けると嬉しい。
まとめ:2回目は28日後
1回目より2回目の方が,副反応(全身反応)が出る確率が高いそうだ。
接種後にもらったパンフレット(↑)には,「8割以上の人に何らかの全身症状(頭痛とか発熱とかだるさとか)が出た」と書いてあった。
次回の接種は,今日から28日後。ちょうどお盆休みで,研究室もお休み。
接種後に副反応が出ることはほぼ間違いないから,自宅でゆっくり過ごそう。前日には,熱が出ても食べられるものを買い込んでおこうかな。
【追記】2021/8/16 2回目の接種を受けてきました。