なんだこの再現度の高さは…!EF64国鉄色 HOゲージが入線

鉄道模型なんて,一生縁がないと思っていた.

自転車よりもカメラよりも,圧倒的に「沼」要素が高いからだ.

しかも,もっとも普及している手ごろなNゲージでなくて,より価格の高いHOゲージに手を出すなんて...そんなこと絶対ないと思っていた.

 

そのうち,貨物の魅力に気づき,貨物が好きになって,Nゲージについて調べ始めたら,HOゲージというものがあることを知り,「大きい方がリアルでいいよね」という思考になり,模型店に行って実物を見て...

 

今,ブログを書いているPCの前には

EF64国鉄色が鎮座している.

正直,意味が分からない()が,買って満足している.大学生にもなって,なんの実用性もない(褒め言葉)おもちゃに,こんなに惹き込まれることになるとは,思ってもみなかった.

購入の経緯と,EF64の魅力とやらを,
つらつらと書いていこう.

TOMIX EF64-1000(愛知機関区)

大学生になってから鉄道旅を始めた.

小さいころから鉄道は好きだったが,大学生になって実際に全国を鉄道旅することで,より一層鉄道が好きになった.そして,鉄に関する知識も深まっていった.

鉄道模型は,「Nゲージ」くらいは知っていたが,どのくらいの価格で,どんな種類があるのかはまったく知らなかった.

動画撮影で気づく貨物列車の魅力

鉄道を撮影するというよりは,乗る方が楽しくて,しばらくは,一眼レフで旅行中に列車の写真を撮ることだけやっていた.

しかし,コロナで出かけられなくなったタイミングで,ちょうど「動画もやってみようかな~」と思うようになった.自分がかっこいいと思う列車たちの走行映像や音声を,動画として記録してみたい.旅行に出かけられず,たまっていたお金でビデオカメラを買ってみた.

春から夏にかけて,コツコツと近隣での撮影を行った.

撮影に出かけていくうちに,徐々に「貨物列車」の存在が大きくなってきた.普通の旅客列車は頻繁に通過していくが,路線によっては貨物列車は1日数本.撮影していて楽しいのは,本数が少ない貨物列車なのだ.しかも,その貨物列車の迫力はすさまじい.

通過前になると,遠くから力強いモータの音が聞こえてくる.目の前に来た瞬間,旅客列車とは違う軸数の機関車が奏でる,独特のジョイント音から始まり,堂々と牽引されながら通過していく,タキやコキ,ホキといった貨車のリズミカルなジョイント音が続く.時間帯や列車によって,牽引する機関車も貨車もまったく違う,行先も速度もバラバラ.まさに「一期一会」.僕は気づいた.ああ,これが貨物列車の魅力なのだと.

撮影した貨物列車の動画をまとめるために,「貨物列車時刻表」なるものも買ってみた.これを見ると,この貨物列車がどこからきて,何処へ向かうのかがわかるのだ.調べてみると,目の前を通過していく列車たちが,日本全国からやってきていることがわかった.こんなに長い編成を,1両や2両の機関車がはるばる運んでいることに,ロマンを感じた.

また貨物列車時刻表については,別の記事で詳しく書こうと思う.これには列車の時刻だけでなく,機関車の所属や紹介,運用表なども掲載されていて,読んでいると勝手に貨物列車に詳しくなっていくのだ.

たとえば,いつも中央西線でお目にかかる,タキを重連でけん引する「EF64」という機関車は,

実はもう愛知機関区にしかいなくて,運用もEF210に比べると少ないということがわかる.

いろんな機関車が走っているけど,僕が一番好きなのは,このEF64という機関車だ.いかにも「機関車」らしい,飾らない顔と,国鉄の雰囲気が残る感じがいい.あと,やっぱり一番身近な中央西線で活躍しているというのも大きい.

HOゲージというもの

こうして「貨物沼」(界隈では機関車のことは「釜」というらしい)にハマり始めた僕は,YouTubeで貨物列車の走行映像など観始めるようになった.自分で撮りに行くにはあまりにも面倒な,貨物列車の走行シーンを,自宅のベッドでゴロゴロしながら,好きなシーンだけ眺められるのは最高だ.

僕みたいに,適当に来た列車を撮影しているだけでは,狙った機関車や貨車に出会うことの苦労はわからない.貨物列車時刻表とにらめっこして,撮影スポットを通過するおおよその時刻を予想して,旅客列車との被りがないことを願いながら..満を持して狙った列車を撮影する.必ずしも,狙った機関車が運用に入っているとは限らない.

そんな「レアキャラ」要素の強い,機関車(僕の場合はEF64-1000形式)を毎日愛でるためにはどうすればよいか.動画もいいけど,もっといい方法がある.その方法は,模型を買うことだ.模型は,ディテールそのままでサイズだけ小さくしたもの.日本ではありがたいことに,鉄道模型のフィールドが大きく発達しており,大きなメーカーがどんどん商品を出してくれている.しかも,精密につくられた模型が完成品として手に入る.ほんとうに良い時代だと思う.

鉄道模型には,軌間スケールによってさまざまな種類があるが...
日本では「Nゲージ(軌間9mm,1/148-1/160)」が一番手,その次が「HOゲージ(軌間16.9mm,1/87 or 1/80)」らしい.HOゲージのうち日本型の狭軌の車両は,正式には16番ゲージと呼ばれることもあるらしい.ここでは,一般的と思われるHOゲージと呼ぶことにする.

さて,このNゲージとHOゲージ,どっちがいいのだろうか.今のせまーい下宿で走らせるなら,コンパクトなNゲージがいいのだろう.一方,走らせるよりも,飾って眺めることがメインで,ディテールを追い求めるならHOゲージだろう.大手メーカーの価格で比較すると,Nゲージは1万円程度で1編成買えるくらい.一方のHOゲージは,機関車1台で3~4万円はザラで,旅客列車1編成そろえようと思うと,大手メーカーのプラ製品でも10万円を超えてくる...正直,HOゲージは価格面で敷居が高いのはたしかだ.天賞堂とか,そういう名門メーカーの真鍮品だと,ウン十万円なんてのも...

模型店で実物を…

ネットショップや動画を眺めているだけでは,サイズ感や再現度がイマイチわからない.

そこで,実際に模型店に行って実物を見てみることにした.幸いなことに,名古屋には模型店がたくさんある.とりあえず入りやすそうな,大須のスーパーキッズランドに行ってみた.

こういうホビーショップはほんとに久しぶり.小学生のとき,プラレールとミニカーを買ってもらいに行った思い出がよみがえってくる.見ているだけでワクワクする,あの感じ.

4階が鉄道模型のフロア.足を踏み入れると,ショーケースの向こうにいるわいるわ,鉄道模型の展覧会状態.入口すぐ横がHOゲージコーナーのようだった.値札より先に製品を見て,僕は完全にやられてしまった.なんだこの再現度の高さは・・・まるで本物じゃないか.そこに置いてあったのはKATOやTOMIXなど,いわゆる大手メーカーのプラ製品だったけど,それでも圧倒的な再現度.ズラリと並ぶ電気機関車の顔は,どれも輝いていて,買ってほしそうにこちらを眺めていた.一番好きなEF64,横軽を走った山男EF63,もうすぐ引退するDD51などなど・・・・このHOゲージのサイズ感,たまらない.わかりやすく書くと,プラレールのサイズ感だ.ガシッとつかめるあの感じ.あのサイズ感で,再現度を120%高めたものが,目の前にずらっと鎮座している.僕は,完全にHOゲージが欲しくなった.

一応,Nゲージの方も見に行ってみた.Nゲージは車両のバリエーションが,HOよりも豊富で,特に旅客列車が充実している.もちろんどの車両も完成度は高いのだが・・・いかんせん先にHOゲージを見てしまったことで,ちょっと物足りなさを感じてしまった.スケールが小さいだけに,どうしても細部の再現度はHOゲージと比較して落ちる.「飾って愛でる」のが第一目的で,走らせるのはオマケ程度.機関車が1両あれば,それで結構満足できる(予定)の僕には,NゲージよりもHOゲージの方が合っている.

他にもレールやジオラマ用パーツなど,じっくり眺め終えて,最後にもう一度HOゲージの車両たちを見て帰った.やっぱり,国鉄形の機関車がかっこいい.よっぽどここで買って帰ろうかと思ったけど,もう一度じっくり検討することとした(結局は買うんだけど...(笑)).

早川模型製作所にて

また別の週末,今度は個人の模型屋さんにも足を運んでみた.

名古屋では結構有名らしい,中村区にある「早川模型製作所」だ.

いかんせん,僕は模型に関して素人なので,個人の老舗店でじっくり話を聞くのもいいかなーと思ったのだ.

地下鉄桜通線に乗って,普段なら降りてしまう名古屋駅から,さらに一駅.ガラガラかと思いきや意外と乗客がいる中村区役所駅から少し歩く.夕方の住宅街の中に,ひっそりとたたずむ模型店の引き戸を開けると...高く積み上げられた模型の箱やショーケースが出迎えてくれた.

入り口脇に,HOゲージの機関車が数多く展示されていた.電気機関車だけでなく,蒸気機関車も展示されていたのが印象的だった(天賞堂のいい製品で,価格は目玉が飛び出るほどだったが・・・(笑)).

お目当てのEF64-1000は,ショーケースの向こうに2両鎮座していた.JR貨物仕様のモデルと,高崎機関区所属のJR東日本(双頭連結器)モデル.どちらもプレステージ(prestige)モデルで,先頭のホースや手すりなどが全部取り付けられている.しかもちょっといい材質を使っているらしい.普通のモデルよりも1万円くらい?高いけれど,初心者にとっては,取り付けの工程が減ってうれしい.

HOゲージは生産数が少なく,在庫がない製品も多くあるのだが・・・幸いにしてここには,EF64-1000の2モデルが揃っておかれている.店主に「EF64-1000の在庫ってどんな感じですか?」とおそるおそる話しかけてみると,ショーケース内のものと,在庫として1両あるのみだった.これが多いのか少ないのかわからなかったけど,お話によるとあるうちに買っておいた方がいいということらしい.やっぱりHOゲージは,機関車が人気のようで・・・牛乳パックと呼ばれる更新色のEF64やDD51はかなりの人気らしい.この言葉にホイホイつられて?僕は,愛知機関区JR貨物仕様のEF64-1000を買うことに決めた.

早川模型製作所は,定価での発売で,購入時に消費税分のみを現金で払う必要がある.このときぎりぎり消費税分を持ち合わせていなかったので,断りを入れて近くのファミマでお金をおろしてきた.定価分はカードでの購入.

動作確認をしながら,店主の方からいろいろとお話を聞くことができた.70年前からこの場所でお店をやっているらしい.動作確認に使っておられたユニットは,とっても年季が入っている.開店当時の先代店主が,手作りされたらしい.すごい!そのころは,Oゲージが主流,HOなんてそんなちゃちいもの...というくらいの存在感だったらしい.今のNゲージなんて立場がなかったのでは?くらい.それが時代とともに,小さい方へと移り変わり,価格帯も手ごろなものへと変わっていったそう.

ひと昔,ふた昔前は,鉄道模型を愛でられるのは,それこそ今でいう「ブラック企業」でモーレツに働いてのし上がった重役のような方ばかり.そういった方たちが集まって遊ぶもんだから,「俺が俺が...の世界になって,グループのようなものができてしまうんだろうね・・・」的なお話も.今とはずいぶん違う世界だったんだろうな~と思いをはせながら,EF64-1000が丁寧に箱に詰められて,紙袋を受け取った.

会計カウンタの下には,ずらっと箱に入ったNゲージが並び,入り口付近にはHOの車両がガラスケースの中で輝いていた.店の奥へ進むと箱入りの車両がずらり.

また再訪してじっくり見てみたいお店だと思った.いいお店でお気に入りの模型を買うことができて本当によかった.宝物の入った紙袋を抱えて,地下鉄に乗って帰った.

ついに入線,圧倒的再現度

購入から数日,amazonで購入したレールとリレーラーを使って,

おそるおそる飾ってみた.

寄れるレンズがないので,スマホの写真でどうぞ(マクロレンズ欲しい)

プレステージモデルなので,取り付けるものは銘板とナンバープレートのみ.慣れない手つきで,なんとか取り付けた.EF64-1006号機のほか,いくつかプレートが付属していた.自分が好きなやつをつけられるのがいい.

 

走らせなくても,机の上に置いて眺めているだけで楽しいものなんて,この世の中にはそうあるものではない.この重厚感,細かいところまで作りこまれた感じ,たまらない...!

この前面の,ホースとか連結器の再現度がめちゃくちゃ高い.プレステージモデルの良さは,ここに表れていると思う.自分では絶対につくれない,この精巧な製品をたった4万円で買えるなんて,TOMIX様様です...

まとめ:HOという沼

ここまで読んでくださった皆さん,ありがとうございます.

そして,HOゲージの沼へようこそ.

大手メーカー様のおかげで,今は5万円あれば好きな機関車と貨車数両が手に入るのです.

「スターターセット」という名目で,2,3万円あればお座敷セットも手に入るのです.

Nゲージで旅客列車をいっぱいそろえるのもいいけど,どっしりと存在感のあるHOゲージの機関車をチビチビそろえて,テーブルの上でじっくり愛でるのもいいと思うのです.

実物がいいに決まってる!と思い続けてきたけど・・・

自宅で愛でられる鉄道模型というのも悪くないですね.

今は,EF64にけん引させるタキやコキを探している最中です.入線したらまた,ご報告いたします(そう遠くないうちに入線するでしょう).

ああ,また幸せな沼に片足を踏み入れてしまった...!

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