バルブ交換をしていたら,エア漏れがおさまらなくなり,途方に暮れていた.
原因をいろいろ考えたところ,当初はバルブ根元からのエア漏れがひどそうだということで,バルブを変えれば解消すると思った.
しかし,同型の新しいバルブを買ってみると,どうやらバルブナットの「傷み」に見えた部分はもとからそういう構造であることが判明した.
そのあと,リムの掃除と新しいリムテープの導入によって,エア抜けは解消することができた.
チューブレスタイヤのエア抜け解消
前回記事にて,バルブ交換していたらエア漏れが発生してどうにもならない,ということを紹介した.
今回はその続き.
バルブは問題ないかも
なんとなくバルブ根元からのエア抜けがひどかった.
リムテープはしっかり伸ばして貼ったし,隙間もなかったはず.そう思って原因はバルブにあると考え,新しいバルブを買った.
前から持っていたIRCのロングバルブは,根元のナットのギザギザが,工具で増し締めした部分だけ削れているように見えた.
それで,新しく買ったIRCの同じバルブを見てみると...なんと新品のバルブナットにも山がない部分があるではないか.この山が削れた部分はもとからあるものだったのか...
ということは,おそらくエア抜けの原因はバルブではなく,リム側およびリムテープにあると思われる.
こんなこともあろうかと,新しいリムテープを買っておいた.シュワルベのいいやつ.
10mで3850円なので,1mあたり385円.
ちなみに,これまで使っていたFOURIERSのリムテープは,
1mあたり80円だった.その価格差はおよそ4倍.
まあ,シュワルベのテープくらいの価格が本当は標準なのだろう.
チューブレス界隈で有名なNo Tubesのテープも,1mあたり200円程度はする.
念入りにリムの掃除
新しいリムテープとバルブが届いたら,夜な夜な作業を始める.
これまでに2回失敗しており,精神的にだいぶ参っていたところ.もう失敗はしたくない.
原因が(おそらく)バルブでないとわかった以上,ほぼ100%リム側に罪がある.ということで,エア抜けが止まらない前のリムテープを剥がしたら,念入りにリムの掃除.
まずは付着しているシーラントをふき取り,丹念に水拭き.乾いたら,今度は脱脂のために洗剤を含ませたキッチンペーパーで軽くふく.そのあとまた水拭きして,最後に乾拭き.
テープを貼る前に一周ぐるっと見てみて,目につく汚れがあれば取り除く.エアが抜けていく出口になるニップルホール周辺のゴミもとる.
ほんとうは,これくらい念入りにリム掃除するのが当たり前なのだろう.リムの汚れや突起物・異物はエア抜けの最たる原因になる(後で紹介するシュワルベリムテープの説明書【準備】欄にもそう書いてある).
しかし,最近はチューブレス化にすっかり慣れてしまっていて,この工程が雑になっていたような気がしてきた.人間,慣れた頃が一番ミスを犯しやすい.
リムが綺麗になったところで,新品のリムテープを投入.
シュワルベのチューブレスリムテープ
今回新しく購入したシュワルベのチューブレスリムテープ.ネット上で説明書を探してみると,以下のようなものが見つかった.
幅は19・21・23・25・27・29mmがあり,長さは10m.使用できるリムの構造も書いてある.自分のホイールはちゃんと使えるようだ.おそらくチューブレスレディのホイールであれば,だいたい〇だと思う.
貼り方は以前使っていたものと変わりはない.
しっかり伸ばしながら貼って,巻き終わりは重ね張りするだけだ.気を付けるべきは,貼るときにヨレやシワができないようにすること,しっかり密着させること.
実際に貼っていくと,以前のものよりもハリがある感触だった.固いわけではないのだけれど,引っ張ってもヨレづらい.また,粘着力も高めなので,貼っている最中に剥がれたりすることもなかった.
そんな感じで無事に一周貼り終えた.前のリムテープでは2周重ね張りしていたけど,今回は1周のみ.シュワルベの説明書には1周でいいという趣旨のイラストがあったし,そもそも値段が高いので,1周で十分密閉できるだろうと踏んだ.
以前クリンチャータイヤでもシュワルベのリムテープは使っていた.シュワルベリムテープの特徴は「高圧に耐えられる」という意味の「High pressure」という文字が書かれていること.
チューブレステープでも例外なく,この文字が書かれていた.無字だった以前のFOURIERSリムテープに比べると,かなり頼もしい.やっぱり高いだけのことはある.
シュワルベには足回りでお世話になりっぱなしだ.
シーラントをしっかり入れる
チューブレステープのバルブ部分に,ハサミで小さく穴を開けて,新しいバルブを挿入.
しっかり差し込んでからナットとOリングで固定する.
そのあと,グラベルキングをはめて,シュワルベのタイヤブースターでビード上げ.もう何度も失敗してきたので,この辺は手慣れたもの.タイヤブースターによるビード上げについては,以下の記事で紹介している.そういえばこれもシュワルベ製品だ.シュワルベ様様だ.
シーラントは入れずに一度空気を最大まで入れてみる.特に漏れる箇所はなく,しっかり入った.
しばらく放置して,顕著なエア漏れがないことを確認してからシーラントを入れた.チューブレスレディは,シーラントがあって初めて気密度が実用程度まで高まる.
タイヤをグルグルして,全体にシーラントを行き渡らせてから一昼夜放置して様子見.
しかし,この段階では一昼夜後にエアが2気圧程度抜けていた.原因は何かな~と思ってもう一度高気圧にしてじっくり観察すると,バルブを12時方向とすると3時の方向あたりから「プチ…プチ」とかすかにシーラントがブクブク言ってる音が聞こえた.
おそらくこのあたりが原因だろうと思い,その部分を下にして上下にタイヤを振る.これでシーラントを隙間に行き渡らせる作戦.
このとき,いつもよりシーラントが少ないような雰囲気をジャバジャバ音から感じたので,
一度空気を抜いて,バルブコアを外し,シーラントを継ぎ足した.
そして,エア漏れの音がした部分を下にしてもう一晩放置.
エア抜け解消!
翌朝ようすを見てみると,空気圧は維持されており,顕著なエア漏れもなさそうだった.
梅雨の晴れ間を狙って,ひとっ走り.
いや~空気入れたてのタイヤはいいな~...なんて意味のわからないことを一人つぶやきながら走った.チューブレスタイヤの走り味といったら,それはそれは極上.振動は吸収してくれるし,ロードノイズも静かで快適.これだからチューブレスはやめられない.
ということで,これにてバルブの交換は終了.長い道のりだった!
まとめ:リムの汚れも侮れない
以上,チューブレスタイヤエア抜け解消の記録.
今回,気密性が下がってエア抜けした原因としては「リムの汚れ」が第一にあげられるだろう.
テープを貼る前には汚れや手の脂を念入りに落としておくべきだ.そうすれば,リムテープとリムとの密着度も上がるし,目に見えない汚れで隙間ができることもない.
リムの掃除くらい,ちょっと手間をかければすぐできること.それを怠る方が,エア抜けで大変な苦労をすることになる.面倒くさがらずに丁寧に掃除することが一番.