明知鉄道で自然豊かな風景をたのしむ週末日帰り旅

東海地方には,魅力的なローカル線(地方鉄道)がいくつもある。

名古屋にいる間に乗りつぶしたいと思っているが,最近は平日の研究で疲れ切ってしまうのと,コロナで出かけづらいのとが相まって,すっかり不精ぶしょうになってしまっている。これでは,名古屋にいる間での乗りつぶしは望むべくもない!

そう思って今回は,東海地方のローカル線の1つである「明知鉄道」に日帰りで乗って来た。

明知鉄道は,JR中央本線・恵那駅から,日本大正村で有名な明智駅まで至るローカル線。終点までの1時間弱の間,忙しい名古屋での日常を忘れて,のんびり自然の空気を味わえた。週末のリフレッシュには,ちょうどいい路線だった。

スポンサーリンク

明知鉄道明知線の旅

明知鉄道とは?

明知鉄道路線図|引用元:駅情報|明智鉄道株式会社 公式ホームページ

「明知鉄道」は,前身を「国鉄明知線」,つまり現在のJR(国鉄)にルーツをもつ地方鉄道。第三セクター方式(いわゆる”三セク“)で運営される鉄道会社だ。

路線は「明知線」のみで,そのルートは,東美濃地方(ざっくりいうと岐阜県の右の方)の山間のエリアを南下するようになっている。

明知鉄道は昭和60年11月16日に国鉄明知線(昭和9年6月24日開業)を引き継いで第三セクター方式の経営形態として発足し、開業した地方鉄道です。 当鉄道は岐阜県恵那市大井町(中央線恵那駅)を起点に、日本大正村で有名になった恵那市明智町に至る東美濃地方の高原地帯を縫って南下する全長25.1kmの路線です。 …

会社概要・安全報告 | 明知鉄道株式会社 公式ホームページ

終点の明智駅は,日本大正村の最寄り駅となっている。明智駅のある恵那市は,「麒麟がくる」で話題になった,謎多き戦国武将・明智光秀ゆかりの地(生誕地,諸説あり)だ。

ちなみに,会社名と路線名は「明」だけど,駅名は「明」駅。駅のある町名は「明」。路線名と駅名・町名が違うのは,国鉄線としての開業当時と,明知鉄道としての開業時とで,町名の表記が異なっていたかららしい。

(つまり,開業当初は明知町だったから明知駅にしたけど,明知鉄道に引き継がれたときには,明智町になっていたから,駅名も明智駅に変更された,ということだ)。

参考:明智駅(岐阜県恵那市)- Wikipedia

各駅周辺の見どころについては,下記ページに詳しいので,あわせてご覧ください。

参考:駅情報|明智鉄道株式会社 公式ホームページ

恵那駅へはJR中央線快速でアクセス

さて,そんな明知鉄道に乗車するべく,まず向かったのはJR中央本線・金山駅。ここから中央本線・中津川ゆき快速列車に乗車して,恵那まで向かった。

途中,多治見に着いたとき,多くの乗客が降りて行った。多治見から先は,ロングシートのほとんどが空席となり,ガラガラ状態だった。

恵那に着いたのは,10:56。金山からは1時間弱ほどでたどりついた。

駅に降りると,さらっとした風が吹き込んできた。空を見上げると,鮮やかなスカイブルー。日向は暑いが,いい天気だ。

駅前の温度計は32℃を表示していた(!?)が,体感でそれほどには感じられない。あの温度計は,コンクリートの上の日当に置かれているから,実際の温度より高く表示されているに違いない。

フリーきっぷを買って明知鉄道に乗る!

そんなJR恵那駅を出て左へ向かうと,明知鉄道の恵那駅舎がある。JRの駅舎よりこぢんまりとしている。コンクリート製で日陰になっており,風も吹きこんできて涼しい駅舎内にて,まずはきっぷを買うことにした。

今日は恵那から明智まで乗りとおして,大正村周りを散策してから恵那に戻ってくる予定だった。

恵那から明智までの片道運賃は690円。往復だと1380円

これに対して,フリーきっぷは1380円で,全線の往復料金と同じだった。途中下車する予定はなかったけど,記念にもなるし,損もしないので,フリーきっぷを買ってみた。

昔ながらの雰囲気をのこす明知鉄道恵那駅の駅舎内。左側にある「きっぷうりば」にて,フリーきっぷを買うことができた。

フリーきっぷは,恵那駅の窓口(きっぷうりば)で買うことができた。フリーきっぷにありがちな,パンフレットタイプではなく,いわゆる「硬券」(最近のきっぷより硬い触り心地のきっぷ)だった。これは,鉄道好きにとっては嬉しい。

ハサミの入った硬券を受け取って,駅舎のなかをみてからホームに入った。

ちなみに,恵那駅舎のなかには,「鉄印帳」,三セク車両が掲載されたクリアファイルといった鉄道グッズの売り場があった。JR線と明知鉄道とは,おおむね20-30分くらいで乗り換えられたと思うので,待ち時間で明知鉄道グッズも買うことができそうだった。

1両編成のかわいい車両

明知鉄道恵那駅のホームは,一面一線の小さい行き止まりホームだった。JR中央本線の立派な構内とは対照的だ。

駅に置いてあったパンフレットを見ながら,沿線の名物を勉強していると,

踏切が鳴って,ドコドコと一両編成の小さい車がやってきた。このとき,ちょうどタイミングよく,明知鉄道とY字の線形で並ぶようになっているJRの線路を,名古屋ゆきの特急「しなの」が猛スピードで通過していった。

駅前のカーブを,車体を傾けて高速通過する383系「しなの」と,小さいホームにのんびりとことこ入ってくる明知鉄道の車両とが,それぞれの路線の雰囲気を示唆しているかのような光景だった。

車両がとまってドアが開くと,思っていたより多くのお客さんが降りてきた。今日は天気のいい日曜日だし,おでかけ客も多いのだろう。かくいう自分も,週末のリフレッシュにやってきたのだから。

あらかた降車が済んだところで,車内へ乗り込む。小さい車両のなかは意外と現代風で綺麗だ。座席は,ロングシートタイプで,恵那駅を出発する時点で4-5割くらい埋まっていた。

ロングシートからちょうど向かいにある,車体側面の窓が大きくて,車窓が楽しめそうだ。

9D [アケチ100形102]
恵那駅 11:20(発)→→明智駅 12:10(着)

アケチ100形102,赤いカラーが目を引く小型の気動車だ。前面には,「お母さん いつもありがとう」のヘッドマークを掲出していた。

車両の写真を撮って,車内に戻って腰を落ち着けたところで,ジリリリリ…とベルがなって,ドアが閉まった。ここから,明智駅まではちょうど50分の列車旅だ。

緑豊かな田舎をのんびり走る

恵那駅を出発すると,床下からディーゼルエンジンの大きな音が聞こえてくる。

加速する列車をあざむくかのように,線路は右へ大きくカーブしつつ,上り坂となる。坂を上っていく途中で右手を見ると,恵那市街を一望できた。

エンジンの音は力強いが,列車のスピードはゆるい。ジョイント音は小気味よく,緑と田園の中を,カーブしながら走って行く。車窓はまさに田舎そのもので,忙しい日常から逃避するにちょうどいい風景だ。

この路線は,カーブも多いが,上り坂もつづく。そのルーツを国鉄(JR)にもつことが,よくわかる線形だ。ただの地方鉄道に,これだけの山の中へ急こう配・急カーブで線路をつなぐことはできなかっただろう。

恵那から2つ目の駅,飯沼(いいぬま)駅は,日本一急勾配(33パーミル)な場所にある駅らしい。恵那側から入線すると,上り坂の途中となる。たしかに,停車直前まで列車はノッチ(車でいうアクセル)をオンのまま走り,後退しないよう慎重に停車していた。目の前にあるホームは,右後方へと傾いていた。

出発時には,エンジンの回転数が高まってから,ゆっくり列車が前に進み始めた。まるで,マニュアル車の坂道発進のような具合だった。鉄道がいかに坂道に弱いかを実感できる駅だった。

そのあとも列車は山の中を進んだ。気持ちいい景色,脳が休まるような鮮やかな緑がひろがっている。ちょうど田植えが終わるくらいのシーズンで,水がたっぷり張られた水田を,植えたての稲が気持ちよさそうにそよいでいた。

恵那から4つめの駅である飯羽間(いいばま)駅のあたりは,農村景観日本一らしい。見渡す限りの緑色が広がっていた。これはたしかにいい景色だ。

飯羽間を出発した後,特徴的な駅舎の極楽(ごくらく)駅に停まった。極楽という駅名は公募で決められた駅名らしい。駅ホームには,お地蔵さんがいた。駅名にちなんだものなのだろうか。

恵那から30分弱で,岩村(いわむら)駅に到着した。ここは,明知線の主要駅であり,途中駅では唯一の有人駅だ。ここで上下の列車が行き違った。

岩村駅は,岩村城とその城下町の最寄り駅であるとともに,地域の中心駅でもあるようで,大勢の降車があった。

岩村駅にて。2本の線路をつかって上下列車が行違う。

しばらく停車したのち,岩村駅を出発。

次の花白温泉(はなしろおんせん)駅では,ランニングのグループと思しき集団が乗って来た。みなさん,暑いのにたくましい!

この駅には,「温泉」と名のつくとおり,駅前に温泉があった。そんなに大きいものではなかったが,こぢんまりしていてなかなか良さそう。

そのあと,寒天が名産で駅前に「かんてんかん」のある山岡(やまおか)駅,そして野志(のし)駅に停車してから,終点の明智(あけち)駅にたどりついた。恵那駅から50分。

明智駅に到着!

明智駅で大勢のお客さんを降ろしたアケチ102は,ドアを閉めると,すぐに駅構内の奥にある車庫に向かって回送していった。そんなに広くないホームに大勢の乗客がひしめいている状態で,動き出した車両を,なんとか写真に撮った。

ここまで乗車したアケチ102。到着後すぐ,回送のためホームから出ていく。写真撮影にはご注意を!

明智駅の奥には,車庫があって,1両編成の車両たちがいくつか入庫していた。

駅を出て,駅舎の写真を撮影。昔ながらの雰囲気を残す駅舎だ。

大正村周辺を散策

12時過ぎに明智駅に着いてから,帰りの列車まで2時間ほど散策した。

まずは,明智駅前にある,緑の外装が素敵な焼き洋菓子とカレーパンのお店「まっちゃっちゃ」にて,カレーパンとチーズケーキをいただいた。

カレーパンは揚げたてさくさくで絶品!チーズケーキは濃厚なのに甘すぎない味で,とってもおいしかった!(パートナーが「ぜひとも行きたい!」と言っていた意味がわかりました)

あまりにもおいしかったので,紅茶のクッキーとパウンドケーキもテイクアウトしちゃいました。こちらも絶品!

素朴なお菓子がおいしい「まっちゃっちゃ」,ぜひとも再訪したい,オススメのお店です(営業日時やすてきなお菓子の写真は,Instagram:@machacha0401からどうぞ!)。

それから,大正村浪漫亭の2階にある「かわかみ」にて,お昼ごはん。シンプルだけど,手作りらしい,太さが不揃いのそばはおいしかった。トッピングにはえび天をチョイス。揚げたてでさくさく!

明智といえば,「日本大正村」が有名。食後にゆっくりと散策した。犬山にある「明治村」よりは,コンパクトだと思われるけど,そのおかげで,2時間くらいあれば十分楽しめた。

大正ならではの「ロマン」ある建物や通りの雰囲気が印象的だった。建築物には詳しくないけど,たぶん昔の姿をそのまま残しているだろう建物がいくつもあった。

恵那までの帰りものんびりと…

ひととおり散策を終えたら,行きと同じように,明智駅から明知鉄道に乗って恵那まで帰った。

明智駅構内。昔ながらの趣が残っていていい駅舎です。

16D [アケチ100形101]
明智駅15:19(発)→→恵那駅16:09(着)

アケチ101。駅のホームが短くて,31mm単焦点レンズ(APS-C)では,この画角でしか撮れなかった。
新旧車両の顔。

帰りの車内は,ロングシートがだいたい埋まるくらいの乗客がいた。

恵那までは下り基調だが,スピードは相変わらずゆっくりで,のんびりと車窓を楽しめた。こんなふうな田舎の風景も,これで終わりか~と思うと,すこし名残惜しかった。

恵那駅に着いたら,JR中央線に乗り換えた。

313系が名古屋側に2両連結されていて,快適な転換クロスシートに座ることができた。暑い中,大正村を散策してすっかりくたびれたから,クーラーのきいた涼しい車内でうとうとしながら,名古屋まで帰った。

以上,「明知鉄道」週末日帰り旅の記録でした。

明知線は,名古屋からサクッと行けて,自然の風景をのんびり味わえるいい路線でしたね。

また研究に疲れたら,自然の空気を味わいに,乗りに来ようと思います。

明知鉄道株式会社 公式ホームページ
明知鉄道は岐阜県恵那市(中央線恵那駅)を起点に、中津川市阿木を経由し、日本大正村で有名になった明智町にいたる東美濃地方の高原地帯を縫って南下する25・1kmの路線です。この土地だから楽しめる人、食、風景。 どこにでもありそうでここにしかない、ローカル旅をお楽しみください。

さまざまなイベント列車・企画も!

今回は普通列車への乗車のみでしたが,↑ホームページを見ていただくとわかるように,ほかにもさまざまな企画・イベント列車・体験が行われています。鉄道ファンの自分にとっては,「気動車体験運転」に興味をそそられますね。もしスケジュールが合えば,講習を受けて参加してみたいですね~!

気動車体験運転 | 明知鉄道株式会社 公式ホームページ

来たる6月24日は,明知線開通88周年だそうです。記念の「鉄印」(300円)も発売されるようなので,巡礼されている方は,足を運んでみてはいかがでしょうか。

88周年記念鉄印発売します。 | 明知鉄道株式会社 公式ホームページ
令和4年6月24日で明知線開通88周年、ということで鉄印にも88周年記念鉄印登場!! 販売開始:令和4年(2022)6月11日~ 販売箇所:恵那駅・明智駅 価格:1枚300円 発売について: 鉄印を購入の

(おわり)

スポンサーリンク

関連記事:そのほかの東海地方のローカル線

樽見鉄道の旅

「樽見鉄道」は,大垣駅を起点として,根尾谷沿いをレールバスが走るローカル線。終点の樽見駅からは,シャトルバスで温泉にも行ける素敵な路線でした。

>>【樽見鉄道】「運賃タダ」のフリーきっぷ!名古屋から日帰り温泉旅

名古屋鉄道(名鉄)のローカル線

地方鉄道ではないですが,大手私鉄・名古屋鉄道にも,「ローカル線」があります。

>>のどかなローカル線・名鉄広見線に乗って可児・御嵩へ

タイトルとURLをコピーしました