読書のためのバイブル的1冊で読み方を学ぶ|「【新訳】読書について」の感想

普段何気なくやっている読書。

「なんか教養が身につくし、賢くなれそう。」

 

そんなあなたは、読書が自己満足で終わっているかもしれない。

Book Info

amazon.co.jpより引用

【新訳】読書について~知力と精神力を高める本の読み方

著:ショウペンハウエル

編訳:渡部昇一

読書の方法を指南した1冊

この本は、「読書のための読書」をする本だといえる。

2部構成になっていて、1部は少し読みづらかった。

なので先に2部の方へ行くと、かなり有意義だったので、今回は2部の方を中心に感想を綴る。

 

ショウペンハウエルの読書論に対して、訳者が鋭い解説を加える。

少々、手厳しい解説もあるが、「読書」とは何か?

を徹底的に教え込まれる感じのある1冊だ。

具体的な内容

ここからは、「読書のために役に立つ」と思った点をいくつかまとめておく。

読書が好きな人だけでなく、普段読書をあまりしない人にも、ぜひ読んで欲しい内容だ。

読書は他人に考えてもらうもの


この指摘は、かなり心に刺さった。

読書しているとき、自分は「考えながら読んでいる」つもりになっていることが多くあるのだ。

しかしながら実際には「他人に考えてもらっている」状態でしかないのだ。

読書だけして満足してはいけないのである。

大切なのは、その先。

読んで「自分の頭で考えること」が何よりも必要なのだ。

若い頃は多読・雑読


大学生はよく、自分で読める本を選んでしまう。

僕自身、もう読むジャンルが固定されてきている。

(歴史・文学系は敬遠しがちだ)

しかしながら筆者・訳者は

本をえらぶ力は、たくさん読んで初めて身につく

と述べている。

 

当たり前かもしれないが、いろいろ手を出してみて、たくさん読んでみることが重要なのだ。

 身の程を知る

わからないものはわからない。


訳者が夏目漱石の作品を例にとっていた。

自分も夏目漱石の作品では「おもしろい!」と「うーん・・・?」

となる2つのタイプに分かれる。

 

たとえば高校生の時に読んだ「坊ちゃん

これはおもしろかった。

自分でも十分理解できる範囲の話だったからだ。

だが、中学生の時に読んだ「吾輩は猫である

は、中学生には少々早すぎる。何が言いたいのか、さっぱりわからないのだ。その上日本語も現代のものより、ちと古い。

今読めばもう少しおもしろく感じるかもしれないが、

「とにかくわからないものはわからない」

これは読書をするときは意識すべきことだ。

 

すると、読書がもっと手軽にできるようになるだろう。

繰り返し読む

ここは筆者の意見に訳者自身の意見をつけ加えた部分である。

すぐに2回目を読まなくてもいい。

間を開けることは、たしかに有意義だ。

 

過去の自分からの成長も目に見えて、読書がより一層おもしろくなるだろう。

「読書がつまらない」と感じる原因は、自分自身を省みないからかもしれない。

まとめ

この本を読むことで、改めて読書について考えるところがあった。

特に最初に紹介した「読書=他人に考えてもらうもの」という部分は、これからの読書生活でかなり役立つ部分だと思う。

このブログに、読書の感想を書いているが、それは実はかなり有意義なものかもしれない。

これからも細々と続けていこうと、決意した。