【鍾乳洞と洞窟の神社】球磨川(R219)サイクリング|人吉→八代→熊本【2019春九州自転車旅その4】

鹿児島から阿蘇経由で北九州方面を目指す春九州自転車旅。

今日は人吉から球磨川沿いを下って八代・熊本まで走る。

両側に谷が迫る球磨川沿い、大自然のパワーを全身に浴びながら下り基調の道を快走!

 

【前回記事はこちら】

えびの高原・人吉ループ橋を越えて鹿児島から熊本へ|霧島→えびの→人吉【2019春九州自転車旅その3】
鹿児島から霧島神宮を通り、えびの高原まで登って人吉へ。ループ橋やえびの高原からの絶景などなど、盛り沢山の一日。

球磨川に沿う国道219号

昨日宿泊した、人吉の民宿を朝8時前に出発。

朝食付ではなかったが、民宿のお母さんがおにぎりとあたたかい卵焼きを作ってくださった…!

そのおにぎりと卵焼き、それと追加でコンビニで買ったスープで朝ごはん。

おにぎり、優しい味でうまい…卵焼きもサイコー。

 

朝ごはんで幸せになったら、今日もサイクリングスタート。

人吉から90km先の熊本を目指す。

国道219号を球磨川沿いに下っていく「球磨川下り自転車ver」

霧の国道219号線、谷を縫うように走る

昨晩の雨の影響もあってか、今朝は霧が出ていた。

国道219号は、下流の八代までゆるやかな下り基調でずっと川沿いを走る。

人吉=熊本を結ぶ大動脈だから、大型車・トラックがバンバン走る。

その大型車の追い抜きだけ気をつければ
両側に山が迫り、常に球磨川を眺めながら走れる、快走ルート。

球磨川は谷の合間を縫うように流れている。

その横を走る国道219号も、谷のすぐ横を走る。

壁のような山が両側に迫ってくる。

30分ほど走って、谷の上側を覆っていた霧はすっかり晴れた。

後ろからまぶしい朝日が追いかけてくる。

霧が晴れることで、川両岸に覆い被さるような山がすべて姿を見せた。

だんだん気温も上がってきた、景色も良いし最高のサイクリング日和…!

日本鍾乳洞9選|球泉洞

人吉からしばらく走って、道沿いにあるのが「球泉洞」。

日本鍾乳洞9選の1つらしい、そんなに有名な鍾乳洞が球磨川沿いにあるなんて前知らなかった。

日本観光鍾乳洞協会←ホームページで詳しく紹介されていた。

 

球泉洞は、全長5km近くにもなる長大な鍾乳洞。

そのうち2kmが一般公開されているようだ。

営業は9時からで、到着したのが9時前だった。

入口の前をぶらぶらしていると、係の人が声をかけてくださった。

「開場は9時からですか?」と僕が質問すると、「そうですが、一般の見学(※)ならもう入場できますよ~」ということだった。

(※球泉洞では「探検コース」のようなものもあるらしいです)

入場料1,100円を払って、いざ。

鍾乳洞といえば、僕の中では山口県の「秋芳洞」が思い浮かぶ。

秋芳洞には今まで2回訪れたことがある。

 

球泉洞には、そんな秋芳洞に勝るとも劣らない迫力と神秘的な光景があった。

どこを見てもスゴい景色だ。

自然の作用だけでなぜこんな形ができるのか、いつも不思議に思う。

秋芳洞では見られなかった「ずれ動いた石筍」が特に印象的。ふつう石筍と石柱はセットでできあがっていき、延長すれば繋がる位置に完成される。

しかしずれ動いた石筍は、いろんなメカニズムで石筍だけが移動して石柱が取り残されてしまった、というわけだった。

大地の運動を目で見て感じることができた。

球泉洞/球磨森林組合

石灰洞窟の中にある「熊野座神社」

球泉洞の手前で一旦上りになった国道219号は

球泉洞から再び下り基調に。

海沿いへ抜ける県道27号への分岐(神瀬交差点)を過ぎれば、「熊野座神社」入口に到着。

Googleで「熊野座神社」と検索すると奥阿蘇(高森町)にある方がヒットするけど、こちらの熊野座神社は神瀬の石灰洞窟とセットで紹介されていることが多いみたい。

洞窟の中に神社があるのか・・・?

そんな疑念を抱きながら、自転車を停めて洞窟の方へ歩いて行ってみる。

 

まもなくかろうじて舗装された参道が現れた。

道の上は苔むしていて、両側には自然そのままの風景が広がっている。

SPDシューズが滑らないように気をつけながら、洞窟がありそうな方へ進む。

そして満を持して洞窟、登場。

真っ直ぐに伸びた大きな木が倒れかかっていて、洞窟を通せんぼしている状態になっていた。

入って大丈夫なのか?」と心配したけど、大きな木には神社でよく見るあの白い紙がくくりつけられていた。

大木の下が、確かに石灰洞窟と神社への入口のようだ。

 

おそるおそるくぐってみると、水音が連続的に聞こえてくる。

そして視界には、確かに「洞窟の中にある神社」が飛び込んできた!

この光景…今まで訪ね歩いた神社の中でも、圧倒的に異色である。

頭上からは石灰成分を含んでいるであろう水が、常にボタボタ落ちてきている。おかげで足下には水たまりができてビシャビシャだった。

入口にあった大木の根元

背後には大きな鍾乳洞が口を開けており、中には水が大量に溜まっている。暗くてよくわからないがおそらく池のような状態になっているのだろう。(調べてみると、この池は深さ20m、奥行き72m、高さ8mもあるらしい)

そんなところに、ちゃんとした神社が鎮座している。異世界だ。

 

背後の池の前には、人が入らないようにロープがかけられていた(崩壊により立ち入り禁止)

 

ロープに設置されていた文言に、僕は戦慄を覚えた…

幾多の苦難を背に背負い人生歩む男性は後ろ向きに・・・
明るい前だけを見て歩いて?(解読不能)しい女性は前向きで
お子様はご自由に投げ入れてください

宮司

ぇ、しれっと恐ろしい文言じゃないか?これ。

読みながら背筋に冷や汗が走った。。。「後ろ向きに、前向きに飛び込んでいくの・・・?子どもを投げ入れるの?心霊スポットなの・・・??

_ _

 

というのは僕の誤解だったようだ。

熊野座神社(正式には「岩戸熊野座神社」という)には

「縁結びの神」が鎮座しているようだ。

九州の神社:熊本県:岩戸熊野坐神社(球磨村)

その神様に良縁を祈願するために、境内に設置されていた「投げ石」(1コご縁=5円)を奥の「御池」に投げ込むのだそう。水音が響けば良縁が叶うとされているらしい。

なんだ、そういうことだったのか。

先ほどの看板、「投げ入れる」っていうのは「投げ石」のことだったんだ。。。

安心した。

九州旅行ナビ←(こちらのサイトで紹介されてた)

観光客とか全然いなかったけれど、これはスゴい光景だ。

球磨村はもうちょっと観光スポットとしてアピールしてもいいのでは?とか思ったり思わなかったり。

しっかりと良縁を祈願して、神社を後にした。

趣深い下り基調のルート

球磨川はだいぶ川幅が広くなってきた。

ゆったりとした川の流れは、すっかり大河川の雰囲気だ。

両側の山はまだまだ深い。

ところどころで行われている片側通行をパスしながら、快調に飛ばす。

山の中だし、音楽をかけながら走っても何の迷惑にもならない♪

 

川の左側には肥薩線が並行して走る。

熊野座神社を出発するときに、ちょうど普通列車がゴトゴトと走り去っていった。

 

下流ではなにやら甲種輸送も発見。

川の水面に山が映り込む。

きれい。

愛車も自然に良く馴染んでるね。

道の駅「さかもと」荒瀬ダム跡とダムカレー

第一球磨川橋梁」を渡って、国道219号は球磨川の左岸に進路を変える。入れ替わるようにして肥薩線が球磨川の右岸へ。

第一球磨川橋梁」は肥薩線の撮影スポットとして有名らしい

運良く列車が来ないかな~と数分待ったけど来なかった…

代わりに列車が通った写真をどうぞ

美しいですねえ。。。

Image Source:SL人吉(9)球磨川第一橋梁を渡る。ー中京テレビ:稲見駅長の鉄道だよ人生は!

球磨川橋梁からしばらく走ると、右手にダムの跡が見えてくる。

かつて現役で供用されていた「荒瀬ダム」の跡だ。

2018年3月に撤去されたばかりのダム。

終戦後の電力不足を補うために建設された(発電用ダムで日本最古らしい)が、自治体の要望により運用が凍結され、ついに撤去された。

荒瀬ダム – Wikipedia

一度建設され、しっかりと利用されていたダムが住民の要望などで撤去されるというのは、全国的に見ても珍しいのではないだろうか?

荒瀬ダムに関する資料展示があり、ダムをあしらった「ダムカレー」が食べられる「道の駅さかもと」に寄り道。

この道の駅からも上流側に荒瀬ダム跡を見ることができた。

道の駅のダム資料を見ると、かなり詳しく解説されていて勉強になった。水利権などかなりややこしい問題を乗り越えて撤去にこぎつけたみたい。

造ることよりも壊すことの方が面倒なのかも。大きなプロジェクトには「これを造ったあとどうするか?」というのも大事な視点。

 

で、楽しみにしていたダムカレーはというと・・・

レストラン休館日

ああああぁぁぁ・・・・マジか・・・・

楽しみにしてたのに・・・・

昼ごはんが八代市街まで延期された(しんどい)

 

道の駅裏の土手に見つけた春に癒やされて、気を取り直して八代へ向かう。

八代から熊本へ

九州新幹線の高架をくぐった。

右岸を流れる球磨川は、一級河川の名に恥じない川幅になった。

両岸には民家が増え、山の中から街へ出てきた。

八代の街を南へ

八代市街に向かう途中、工場をバックに

そしてここで右膝がじわじわ痛んでいることに気づく。

下り基調だからって飛ばしすぎた(踏みすぎた)ようだ。

ストレッチをして、ギアを軽めに変えて走り出す。

 

球磨川を南へ渡って市街地へ入った。

さっきまで球磨川沿いの山の中を走ってきたから、普通の市街地でも大都会に錯覚する。

先ほど食べ損ねた昼ごはんを、コンビニで食べる。

怒りのハイカロリー…!

 

八代から熊本まで、宇城・宇土経由での一般的なアクセスは国道3号線

だいたい40km弱距離がある。素直に国道で行ってもいいけど、国道3号線は、大型車が多い幹線道路。

したがって、国道3号ではなくツーリングマップルで紹介されている県道14号線で熊本市南部まで行くことにした。

距離はほとんど変わらない、国道3号線の抜け道。

国道より流れよい(by ツーリングマップル)

の文言通り、田園地帯の真ん中を真っ直ぐに延びている2車線道路はとても流れが良い。

 

熊本に入るまで、2,3の信号にしか引っかからなかった。

じわじわ傷む右膝に負担が大きい信号でのストップ&ゴーが少なくて済んだ。

左側には九州新幹線の高架が真っ直ぐに延びている。時々猛スピードでN700系が走り去っていく。

新幹線の車両基地|熊本総合車両所

宇土駅南側の交差点で、バイパスの国道3号線が合流。ここから国道3号線を走る。

熊本県といえば、熊本県警の面白道路情報板。

 

流行ではない?フレーズ。

 

国道3号に合流して左側に見えてきたのは、ずらりと新幹線車両が並ぶ「JR九州熊本総合車両所

国道からでも新幹線の姿を見ることができた。
N700九州車ファンの僕は迷わず寄り道。

 

日中の時間帯だから車両の数は少ないけど、それでも柵越しに見るN700系はめちゃくちゃカッコイイ。

すぐそばで九州新幹線を見られる!

いつもは駅のホーム上から見ているから、車両の足下を見られるのは新鮮そのもの。

この色がいいよね~

 

新幹線は長いから、車両所も長い。

自転車で前の方に移動すると、N700系の後ろに隠れていた800系も1編成発見。

800系はチャンスがあれば乗ってみたい車両。九州でしか走っていないから、またお金を貯めて乗りに行くぞ。

熊本市内へ、被災した熊本城散策

新幹線をひとしきり眺めたら、熊本市内まで本日ラストラン。

熊本市内に着いた時点で時刻は16時前。

90km近く走ったけど、朝早く出発したおかげで観光の時間ができた。

せっかくなので、熊本地震からの復旧を目指して工事中の熊本城を見ていくことにした。

 

熊本のシンボル、外から見てもよくわかる。

熊本城の正規の入口は、工事中のため閉鎖中。

見学は加藤神社を中心に、外側をぐるっと回る形でのみ可能(2019年3月)

 

報道では感じられない、実際の地震の被害。

思ったよりも被害は甚大だった。

至る所で石垣はバラバラになり、塀は崩壊していた。

広場にはくずれてしまった石垣の石がズラリと並べられている。

これから石に番号を振っていき、元通りに戻すという

気の遠くなるような復旧作業が待っている。

 

加藤神社から天守閣を撮影。

周囲にはしっかりとした足場が造られクレーンも設置されていた。

大天守は、しっかり形をとどめているが
小天守は宙に浮いている状態だそう。

 

散策してみてわかったけど、熊本城はかなり大きい。

また完全復旧したら、もう一度見に来たい。

ちなみに被災状況、復旧の進捗については「城彩苑」にあるミュージアムで勉強した。

プロジェクションマッピングなんかもあったりして、結構充実の内容だった。

熊本城ミュージアム わくわく座|桜の馬場 城彩苑

散策へ行く前にミュージアムへ行っておくのがオススメ。

熊本城温泉&リンガーハット

1時間ほど散策して、本日はおしまい。

このあと熊本城のすぐ近くにある「熊本城温泉」でのんびり疲れを癒やした。

アクセス抜群、料金も良心的だった。


夕食は温泉のとなりにあるリンガーハットでちゃんぽん。

2倍盛り無料につられて、2倍盛りを注文、完食した。

まとめ:球磨川の自然を満喫した1日

球磨川沿いのサイクリング、大自然を満喫できた1日だった。

球泉洞も熊野座神社も、観光スポットとしてはマイナーだけど魅力たっぷり。

今日も1日充実してたなあ。

 

翌日からはいよいよ阿蘇山へ向かう。

ミルクロード、やまなみハイウェイ

阿蘇の絶景を堪能するぞ!

【ざっくり走行データ】

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